2013年2月8日

No.281 コミュニケーションはバランスが大事

みなさんは「イジョウジ」と聞いてどんな漢字を思い浮かべるでしょうか?例えば保育園では「以上児」という漢字が多いのですが、この言葉、どれだけの人が知っているんでしょうか?先日O保育士がこんな話をしていました。「私は以上児って当たり前のように言ってるけど、旦那はそれを異常児だと思ってたみたいなんです。」以上児がどういう意味かというと、その年度の4月1日時点で3歳、4歳、5歳の子(くま・きりん・ぞう組)のことを「3歳以上児」といい、それを略して以上児と呼んだりします。反対は3歳未満児、未満児と呼んでいます。これは保育園関係だけの言葉かもしれませんね。私も「保育園の人が異常児ってよく言ってるけど、そんな言葉があるの?」って聞かれたことは何度もありますし。

今回は言葉について。言葉はコミュニケーションには欠かせないものと言われています。それは確かにそうなんですが、でも例えば上に書いた「イジョウジ」という言葉が会話の中に出てきた場合、「以上児」と聞くか「異常児」と聞くかで話の内容は全く違ったものとして受けとられてしまいます。正しく言葉を使っていたとしても、どう受け取るかによって「キミの言ってることは全然分からないぞ!」とすれ違ってしまう可能性だってあるわけです。要するに、言葉は正しく使えばそれでコミュニケーションは成立するというわけではなく、どう受けとるかも同時に重要だということです。となると、文脈から言葉の意味を想像するとか、表情や間のとり方、声のトーンなどからも伝えたいことを読み取るとか、そんな力もコミュニケーションには必要になるということです。単に言葉を知っていればいいわけではないのが難しいところなんですよね。

ここで子どものことを考えてみますが、子どもは言葉を学んでいる真っ最中で、まだ十分には使えません。特に赤ちゃんは言語ではなく非言語のコミュニケーションを行う存在です。そんな子どもと関わる私たちは、非言語によるコミュニケーション、つまりしぐさや表情、抑揚などから伝えたい内容を想像することが特に求められていると思っています。専門用語では「対人知性(他人の気分、気質、動機、欲求を選別し、それに適切に対応する能力)」とも言うそうで、今注目されている力です。このような力は人と人との生のやり取りの中で、失敗も経験しながら身につけるものだと思います。コミュニケーションは言語と非言語のバランスが大事なんだと再確認しました、という話でした。

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