2013年2月21日

No.283 保育園は子どもだけでなく大人も…

早いものでもう少しで2月が終わり、年度末の3月がやってきます。歳を重ねるごとに毎日があっという間に過ぎていくように感じるのですが、そのことで先日おもしろい法則を知りました。「ジャネーの法則」といって『人が感じる時間の長さは、自らの年齢に反比例する』というものです。例えば30歳の人にとって1年の長さは人生の30分の1ですが、3歳の子にとっては3分の1に相当するため、そこには10倍の差があり、つまり感覚的に30歳の人は3歳の子より10倍の早さで時間が過ぎているように感じるという話です。なんとなく分かるような気がしませんか。感受性豊かな子どもの頃の経験は、新鮮な驚きに満ちているので経験の内容が豊富で長く感じられ、大人になるにつれ新しい感動が少なく単調になり、時間が早く過ぎるように感じるからだということです。

話は変わりますが、先日保育者を対象とした研修会があり、そこで講師の方がこんなことを言われました。
「保育園は子どもだけではなく大人も真剣に生きていく場です。」
私にはこの言葉がすごく響いてきました。上で書いたように、時間の感じ方や受ける感動の濃密さは確かに違っているかもしれないけど、それでも子どもも大人も成長していくために真剣に生きている存在です。そんな子どもと大人が共に生活していく場が保育園なんだという意識は、もっと強くもった方がいいのかもしれないと考えさせられました。

保育園は子どもの生活を中心に考える場です。そのことは間違いありません。でも誤解を恐れずに言うと、そこに関わる大人は自分を抑えてでも子どもに尽くすべきだとか、そういうことではないと思うのです。大人にとっても大事な生活の場であると考えたいのです。私たち保育者だけでなく、直接的な関わりの時間は少ないとしても、保護者のみなさんや地域の人も保育園の生活者だと思っています。そして関わる全ての人たちがいつも楽しく愉快に過ごせるのが理想ではあるんでしょうが、実際はなかなか難しいと思います。しんどい時もあったり、悲しいときもあったりする、そんなものです。そんな感情を否定することなくみんなで認め合い、でも感情をコントロールしたいという気持ちもみんなで応援し合える。そして楽しいときはみんなで目一杯楽しさを共有する。そんな感情の扱い方なんかを子どもたちに見せていくことも「真剣に生きていく場」にしていくために必要なんじゃないかなあと。みんなが素直な姿でまっすぐに関わって影響し合える保育園って、いいなあと思うんですよね。

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