運動会が無事終わりました。あそこまで暑くなくてもよかったんですが、晴れてくれたので文句を言ってはいけませんね。自分の中では少しずつ運動会の余韻も消え始めていますが、特に強く印象に残ったいくつかのことに関してはまだ鮮明に浮かんできたりします。今回はその中の1つについて書いてみます。
走ることの発達を見てもらった後、自分たちの得意なことを見てもらう種目があり、その最後の方でぞう組のMちゃんが自転車に挑戦しました。みなさんも覚えておられると思いますが、なかなかスムーズに進んでいくことが出来ませんでした。保育園にある自転車は少し変わっていて、ペダルを逆回転させると後輪にブレーキがかかるようになっています。子どもの握力はまだまだ弱いので、安全にしっかりと止まることが出来るように脚力によってブレーキがかけられるタイプになっているため、最初の一踏みのペダルの位置がずれているとすぐにブレーキがかかってしまう(文章でうまく説明できなくてすみません)、コツを掴むのがちょっと難しい自転車です。
そんな自転車なのでMちゃんが漕ごうとすると1回転目でブレーキがかかったりして、なかなか前に進むことができません。たくさんの人の前でもあるし時間もかかっていたので、最後までできるだろうか…とドキドキし心配していましたが、でも本人は真剣な表情で自転車を漕ぐことに集中しています。そしてゴールの直前ではありましたが、やっとスムーズに進むことができました。結果的に「乗る」姿を見てもらえたのは少しだったわけですが、ゴール後のMちゃんの笑顔を見たとき、貴重な体験ができたんだなあと嬉しくなりました。
子どもは自分の意思で挑戦し、そのことに自分で納得できたときに、自信を持てるようになります。そしてそこで得られた自信は、また次に主体的に活動していくエネルギーとなっていきます。今回Mちゃんは自分自身が納得できたからこそ素敵な笑顔が出たんでしょうし、しっかりと自信を持つことができたはずです。そして挑戦を見届けてくれた保護者のみなさんの気持ちも伝わったんじゃないかと思います。一人一人が自分の得意なことに挑戦し、そしてその姿を周りのみんなが応援する。なんだかとっても気持ちのいい場でした。
2013年9月27日
2013年9月20日
No.312 またまたうれしい提案です
とっても気持ちのいい秋晴れが続いています。天気予報通りにいけば、明日の運動会は気持ちよく行うことが出来るでしょうね。前回は運動会の目的について、そして「走る」ことに焦点を当てた前半の内容について書きました。今回は運動会後半の「親子の触れあいを提案する」「体を動かすことの楽しさを子どもたちに伝える」ことについて。
これに関しては今までも行ってきたように、楽しさは1人で感じるより共感できる相手がいた方がより強く感じられるという考えから計画していることです。子どもたちだけでなく、保護者のみなさんとも一緒になって関わりながら取り組み、そして楽しさを共感しあう、そんな時間にしたいと思っています。親子競技なんかはまさにそれに当たるのですが、保護者だけで行ってもらう競技も子どもたちにとって意味があります。保護者のみなさんが楽しそうに活動している様子を見ることも、子どもたちの刺激になるからです。そういうことなので、できるだけ多くの方に保護者競技へ参加してもらいたいと思っているのですが、その点について今年はとてもうれしい提案をいただきました。
ぞう組の保護者のKさんが提案されたことらしいのですが、「保護者競技への参加の呼びかけを自分たちに任せて欲しい」と言われました。まだその呼びかけをどのように行うかは決まっていないようですが、このような提案はとてもうれしく思っています。いつも思っていることですが、保育園は園児と保育のスタッフだけで成り立つものではありません。保護者のみなさんや地域の方々の積極的に参加してくれることによって、子どもたちへの刺激はより大きなものになります。少し前から「見守る保育」というものの説明を書き始めていますが、
「子どもは、多様な大人、子ども同士の体験から、社会を学んでいくこと。」
という項目があります。子ども同士の関わりはもちろんですが、子どもを取り巻く様々な大人がどのように協力し合って社会を形成しているかを見せることは、社会を知り、学ぶためには非常に大切なことです。その意味でも、保育園の行事を自分たちのことと捉えてもらっていること、そして自分たちも積極的に楽しもう!と考えてもらっていることを、ありがたいことだなあと思っています。大人が楽しんでいる姿は必ず子どもたちに伝わります。保護者のみなさんが参加の呼びかけをしている姿もしっかりと見てくれるはずです。後は多くの方に保護者競技へ参加してもらうだけ。
よろしくお願いします!
これに関しては今までも行ってきたように、楽しさは1人で感じるより共感できる相手がいた方がより強く感じられるという考えから計画していることです。子どもたちだけでなく、保護者のみなさんとも一緒になって関わりながら取り組み、そして楽しさを共感しあう、そんな時間にしたいと思っています。親子競技なんかはまさにそれに当たるのですが、保護者だけで行ってもらう競技も子どもたちにとって意味があります。保護者のみなさんが楽しそうに活動している様子を見ることも、子どもたちの刺激になるからです。そういうことなので、できるだけ多くの方に保護者競技へ参加してもらいたいと思っているのですが、その点について今年はとてもうれしい提案をいただきました。
ぞう組の保護者のKさんが提案されたことらしいのですが、「保護者競技への参加の呼びかけを自分たちに任せて欲しい」と言われました。まだその呼びかけをどのように行うかは決まっていないようですが、このような提案はとてもうれしく思っています。いつも思っていることですが、保育園は園児と保育のスタッフだけで成り立つものではありません。保護者のみなさんや地域の方々の積極的に参加してくれることによって、子どもたちへの刺激はより大きなものになります。少し前から「見守る保育」というものの説明を書き始めていますが、
「子どもは、多様な大人、子ども同士の体験から、社会を学んでいくこと。」
という項目があります。子ども同士の関わりはもちろんですが、子どもを取り巻く様々な大人がどのように協力し合って社会を形成しているかを見せることは、社会を知り、学ぶためには非常に大切なことです。その意味でも、保育園の行事を自分たちのことと捉えてもらっていること、そして自分たちも積極的に楽しもう!と考えてもらっていることを、ありがたいことだなあと思っています。大人が楽しんでいる姿は必ず子どもたちに伝わります。保護者のみなさんが参加の呼びかけをしている姿もしっかりと見てくれるはずです。後は多くの方に保護者競技へ参加してもらうだけ。
よろしくお願いします!
2013年9月12日
No.311 走ることの発達、発展
水曜日に運動会の練習を行いました。今回は子どもたちの成長した姿をどう見てもらうのかをみんなで見て確認し、ちょこちょこっと修正することが目的です。あとは18日(水)の予行練習で役員の方々にお手伝いをしてもらいながら全部の種目を通して行い、そして21日(土)の運動会を迎えることになります。私たちが目指しているのは、練習を通して運動会本番を楽しみに待つ気持ちが増していく、そんな活動です。ということで予行練習の日も、子どもたちだけでなく私たち大人もできるだけ楽しんで取り組めるようにしたいと思っています。
さて今回の運動会ですが、お便りでもお知らせしているように、前半に子どもたちの「走る」ことの発達を見てもらう内容を計画しています。運動会では「子どもの運動面の発達を保護者に伝える」ことを大きな目的としているのですが、運動面の発達といってもかなり幅が広いため、今回は「走る」に絞ってみることにしました。「走る」といっても全員が走るのを見てもらうわけではなく、「走る」ことの発達を順に見てもらおうということです。
子どもの発達は連続しています。赤ちゃんがある日突然走り始めるのではなく、寝返り→ハイハイ→つかまり立ち→よちよち歩き→歩くといった「走る」ことにつながっていく体験をそれぞれの時期に十分行うことが、後の「走る」ことに少しずつ確実につながっていきます。その発達の様子を見てもらえるよう、りす組のハイハイ・つかまり立ち・よちよち歩き、うさぎ組の歩くこと・走ることからスタートします。
そして走ることが出来るようになってからは、それが少しずつ発展していきます。ぱんだ組は友だちと一緒に走ることを楽しんでいる姿。くま組は目標に向かってしっかりと走る姿。きりん組は友だちと競い合って走る姿。そしてぞう組は自分たちでルールを考え協力して走る姿。そんな風に子どもが走る力を獲得していき、今度は友だちとの関わりの中で走ることを発展させていく様子を、順番に見てもらうプログラムになっています。自分の子どもはこれからこんな風に力をつけていくんだなあとか、こんな過程を経て大きくなってきたんだなあとか、保護者のみなさんのそれぞれの立場から「走る」ことの発達を見て楽しんでもらい、そして一緒に喜びたいと思っています。
さて今回の運動会ですが、お便りでもお知らせしているように、前半に子どもたちの「走る」ことの発達を見てもらう内容を計画しています。運動会では「子どもの運動面の発達を保護者に伝える」ことを大きな目的としているのですが、運動面の発達といってもかなり幅が広いため、今回は「走る」に絞ってみることにしました。「走る」といっても全員が走るのを見てもらうわけではなく、「走る」ことの発達を順に見てもらおうということです。
子どもの発達は連続しています。赤ちゃんがある日突然走り始めるのではなく、寝返り→ハイハイ→つかまり立ち→よちよち歩き→歩くといった「走る」ことにつながっていく体験をそれぞれの時期に十分行うことが、後の「走る」ことに少しずつ確実につながっていきます。その発達の様子を見てもらえるよう、りす組のハイハイ・つかまり立ち・よちよち歩き、うさぎ組の歩くこと・走ることからスタートします。
そして走ることが出来るようになってからは、それが少しずつ発展していきます。ぱんだ組は友だちと一緒に走ることを楽しんでいる姿。くま組は目標に向かってしっかりと走る姿。きりん組は友だちと競い合って走る姿。そしてぞう組は自分たちでルールを考え協力して走る姿。そんな風に子どもが走る力を獲得していき、今度は友だちとの関わりの中で走ることを発展させていく様子を、順番に見てもらうプログラムになっています。自分の子どもはこれからこんな風に力をつけていくんだなあとか、こんな過程を経て大きくなってきたんだなあとか、保護者のみなさんのそれぞれの立場から「走る」ことの発達を見て楽しんでもらい、そして一緒に喜びたいと思っています。
2013年9月10日
Mt. MIZUHO CUP トレイルラン
Mt. MIZUHO CUP トレイルラン21kmに参加してきました。
前日までの雨、そして途中からも雨が降り、写真では全くわかりませんが道は泥だらけ。
泥だらけになりワラーチの上で足が滑りまくるのに苦戦しながらもなんとか15km地点を越え、 ゴールまであと5kmちょっとというところでいやーな感触が。
はい、見事にワラーチが壊れてしまいました。
なんとかできないものかといろいろ考えたんですが、持っているもので修復は不可能と判断し、 でもここで棄権しても結局ゴールまで地力で進まないといけないこともあり、 裸足になって進むことにしました。
ドロドロの急な下り坂では全くグリップが効かず滑りまくるし、 コースを整備したときに刈ったと思われる竹が足の裏にがしがし刺さってくるしで、 走ることを断念しそろそろと歩くことに。
そこからの道のりの長いこと長いこと。
事前にワラーチの状態をチェックしておけばよかったとか、 もう一足ワラーチを持って走ればよかったとか、 今さら言ってもしょうがないことばかり頭に浮かんできます。
何とかゴールは出来ましたが、15kmまで気持ちよく進めていただけにちょっと残念でした。
でも仕方ありません。
準備不足も自分の実力です。
スタートしたら目一杯楽しむために、事前に考えつくことは全て考えつくしておく。
どんなことにおいてもこれは大事。
とってもいい経験になりました。
結果が発表されてました。ワラーチが壊れなければ…とか言っても仕方ありませんね。
前日までの雨、そして途中からも雨が降り、写真では全くわかりませんが道は泥だらけ。
泥だらけになりワラーチの上で足が滑りまくるのに苦戦しながらもなんとか15km地点を越え、 ゴールまであと5kmちょっとというところでいやーな感触が。
はい、見事にワラーチが壊れてしまいました。
なんとかできないものかといろいろ考えたんですが、持っているもので修復は不可能と判断し、 でもここで棄権しても結局ゴールまで地力で進まないといけないこともあり、 裸足になって進むことにしました。
ドロドロの急な下り坂では全くグリップが効かず滑りまくるし、 コースを整備したときに刈ったと思われる竹が足の裏にがしがし刺さってくるしで、 走ることを断念しそろそろと歩くことに。
そこからの道のりの長いこと長いこと。
事前にワラーチの状態をチェックしておけばよかったとか、 もう一足ワラーチを持って走ればよかったとか、 今さら言ってもしょうがないことばかり頭に浮かんできます。
何とかゴールは出来ましたが、15kmまで気持ちよく進めていただけにちょっと残念でした。
でも仕方ありません。
準備不足も自分の実力です。
スタートしたら目一杯楽しむために、事前に考えつくことは全て考えつくしておく。
どんなことにおいてもこれは大事。
とってもいい経験になりました。
結果が発表されてました。ワラーチが壊れなければ…とか言っても仕方ありませんね。
2013年9月5日
No.310 目的と方法2
「見守る保育」の説明の続きです。今回はこのことから。
2.子ども一人一人の発達について理解し、一人一人の特性に応じ、発達の課題に配慮して保育すること。
これはすごく大事なことです。例えばハサミを使った制作活動を考えてみます。8年くらい前のあさり保育園では、3歳児クラスは直線切りで作れるものを、4歳クラスは波線切りで作れるものを、5歳児クラスは円を切って作るものを、といった感じでクラス別に課題を決めて活動していました。クラスが上がるにつれて難易度があがっていくので、一見一人一人の発達課題に配慮した方法のようにも思えるのですが、実際の様子は違っていました。みなさんも分かると思いますが、3歳児でもハサミを使うのがすごく得意な子がいたり、5歳児でもハサミを使うのがあまり得意でない子がいたりと、年齢でスパッと発達を分けられるものではありません。
現在のあさり保育園の活動は違っています。クラス別ではなく、「直線切りの作品」「波線切りの作品」「円を切る作品」と作り方をまず子どもたちに提示し、どの作品を作りたいか子どもたちに選んでもらうところから始まります。子どもたちに活動グループを選んでもらうと、ほとんどの子は自分が一番“楽しい”と感じられるグループを選択します。“楽しい”と感じる活動とは、その子にとって簡単すぎるものでも難しすぎるものでもなく、その間にある「ちょっと頑張ったらできるかもしれないと感じられるもの」「自分のできることのちょっと上の段階」です。言い換えると、それがその子の発達課題ということです。
とは言っても、周りの子どもにつられてかなり難しい作品を選んでしまうこともありますし、簡単な作品を選んでしまうこともあります。そんな時は制作の様子を見ながら、「難しかったら少し簡単な方にかえてもいいよ」とか「それが終わったらもうちょっと難しい方も挑戦してみたら?」と声をかけるのが、個々の発達を理解している保育者の役割でもあります。保育所保育指針には「保育所の保育は、子どもが現在を最も良く生き、望ましい未来をつくり出す力の基礎を培う」ことが保育の目的だと書かれています。一人一人が発達の課題を飛び越すことなく、今の課題に十分に取り組むことを保障することが大事です。そのためにあさり保育園では選択制の活動を取り入れているというわけです。
2.子ども一人一人の発達について理解し、一人一人の特性に応じ、発達の課題に配慮して保育すること。
これはすごく大事なことです。例えばハサミを使った制作活動を考えてみます。8年くらい前のあさり保育園では、3歳児クラスは直線切りで作れるものを、4歳クラスは波線切りで作れるものを、5歳児クラスは円を切って作るものを、といった感じでクラス別に課題を決めて活動していました。クラスが上がるにつれて難易度があがっていくので、一見一人一人の発達課題に配慮した方法のようにも思えるのですが、実際の様子は違っていました。みなさんも分かると思いますが、3歳児でもハサミを使うのがすごく得意な子がいたり、5歳児でもハサミを使うのがあまり得意でない子がいたりと、年齢でスパッと発達を分けられるものではありません。
現在のあさり保育園の活動は違っています。クラス別ではなく、「直線切りの作品」「波線切りの作品」「円を切る作品」と作り方をまず子どもたちに提示し、どの作品を作りたいか子どもたちに選んでもらうところから始まります。子どもたちに活動グループを選んでもらうと、ほとんどの子は自分が一番“楽しい”と感じられるグループを選択します。“楽しい”と感じる活動とは、その子にとって簡単すぎるものでも難しすぎるものでもなく、その間にある「ちょっと頑張ったらできるかもしれないと感じられるもの」「自分のできることのちょっと上の段階」です。言い換えると、それがその子の発達課題ということです。
とは言っても、周りの子どもにつられてかなり難しい作品を選んでしまうこともありますし、簡単な作品を選んでしまうこともあります。そんな時は制作の様子を見ながら、「難しかったら少し簡単な方にかえてもいいよ」とか「それが終わったらもうちょっと難しい方も挑戦してみたら?」と声をかけるのが、個々の発達を理解している保育者の役割でもあります。保育所保育指針には「保育所の保育は、子どもが現在を最も良く生き、望ましい未来をつくり出す力の基礎を培う」ことが保育の目的だと書かれています。一人一人が発達の課題を飛び越すことなく、今の課題に十分に取り組むことを保障することが大事です。そのためにあさり保育園では選択制の活動を取り入れているというわけです。
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