2014年12月12日

No.374 ただ、ものすごく好奇心が強いだけ

年長児を対象とした科学の実験を楽しむ「科学の日」を設けています。不定期開催のため実施した回数はあまり多くありませんが、子どもたちの反応はかなり良く、楽しんで取り組んでいます。どんな実験を行っているかというと、「ゆで卵を酢に漬けておくとどうなるか?」「勝手に動き出すティッシュペーパー」などです。この取り組みの目的は子どもたちに知識を植え付けることではなく、「何故こんなことになるんだろう?」「不思議だなあ」と感じてもらうことです。なのでその現象についての解説は特にしませんし、子どもたちから「じゃあ○○にしてみたらどうなるんだろう?」と疑問や提案が出てくると、それを試してみたりもしています。なぜ科学なのかというと、科学は物事を論理的に考えることにつながりますし、何より物事に対する好奇心につながります。好奇心は学びや行動の意欲を持つためには欠かせないものなので、科学の取り組みは細々とでも継続させていきたいと考えています。

好奇心については何度も書いてきていますが、とても大事なものなんですよね。小学校の学習にどうつなげていくかが乳幼児期の教育のポイントだと認識しているんですが、例えば字が書けるようになるためには身の周りにたくさんある文字を見て「なんて読むんだろう?」と興味を持つことや、「自分も字を書いてみたい!」と思うことがまずは大事です。物事に対しての好奇心があるからこそ知りたい!やってみたい!と思い、それが行動へとつながっていくわけです。でも、知りたい!とかやってみたい!といった思いは他人が持たせてくれるものではなく、自分で生み出していくしかありません。その源となるのが好奇心なんですよね。

子どもは強い好奇心を持っています。その好奇心があるからこそ、目の前にあるものを何でも触ってみたりしますし、他人の行動をじっと見て真似したりします。そうしたことを繰り返す中で新しい力を獲得し、発達していきます。そんな大事な好奇心ですが、私たち大人が奪ってしまってはいないだろうかと点検することも大事だと思います。例えば子どもから「これなあに?」と質問されたとき「○○だよ」とつい答えてしまったりするんですが、そうすると「ふーん」で終わってしまい興味は広がりにくいでしょう。答えてしまいそうになるのを抑え、「何だろうね、不思議なものだね」とか「友だちと一緒に調べてみたら」とか、より興味が増すような答え方を考えていくことも私たち大人の役目だと思います。一緒になって不思議さを感じ、それを一緒に楽しめると更にいいんでしょうね。

最後にアインシュタインの言葉を紹介します。好きな言葉です。

私には特別な才能などない。ただ、ものすごく好奇心が強いだけだ。


0 件のコメント:

コメントを投稿