2015年4月9日
No.390 子育ては社会全体で取り組む
今回は最近手に入れた『働く!!おかん図鑑』という本について。この本は、大阪で訪問型病児保育を行っているNPO法人ノーベルが発行しているものです。表紙に書かれている言葉は「子どもが熱を出しても 仕事が休めなくても 明るくのりきる おかん満載!」。これだけでどんな本かなんとなく想像がつくと思いますが、「子どもが病気をしたときにどう乗りきるか」のアドバイスや、できれば避けたい失敗談などが紹介されています。これがなかなかおもしろい本で、多くの人が「うん、そうそう!」と自分の悩みや体験と重ねながら読むことができるんじゃないかと思います。
内容を少し紹介します。例えば病気の子どもの世話を親にお願いする「親頼みおかん」の項目では、①常に実家の予定を聞いておくこと②普段からマメに実家へ連れていきなつかせておく③預かってもらう時は子どもの世話で手一杯なので、昼食の準備などはしておく④母の日や誕生日のプレゼントなどを忘れず感謝の気持ちを伝えるといったことが書かれています。他にも「夫婦五分五分おかん」「職場うまくやるおかん」などの様々な乗り切り方が紹介されていて、1人で抱え込まずに周りの人に理解してもらい協力してもらうことがいかに大事か、そんなことを考えさせてくれる内容です。
多くの人が抱えているであろう悩みがとてもシンプルに取り上げられていて、その対策も実体験からのアドバイスによるものなので具体的で行動に移しやすく、なにより単なるキレイゴトで終わっていないところにとても共感できます。そして、もっとも共感できたのが、病児保育を行っている団体であるにも関わらず、『病児保育サービスなんて必要ない世の中になること』を目指して活動しているところです。子育てに対して地域の人の理解が深くなり、職場での理解も深くなり、「子どもが病気になってしまったらどうしよう?」と悩むことの少ない社会を目指していくことに関して、反対する人はいないと思います。でもなかなかそうはなっていかないんですよね。難しいです。
あさり保育園としても何かできないものかとずっと考えているんですが、地域の人に子どもに対して関心を持ってもらうよう働きかけていくことで、子どもに必要な体験や環境を知ってもらうことが役割なんだろうなあと思っています。本来子育てって親だけがをするのではなく、社会全体で取り組むことなんですよね。そんなことを発信していくつもりです。『働く!!おかん図鑑』を読んでみたい方は声をかけてください。
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