2015年9月18日

No.412 分けて食べる体験

保育園は子どもたちが様々な力をつけていく場です。ですから保育園での日々の遊びや生活には意味があるわけですが、その全てを丁寧に説明することが出来ているかというと、まだそこまではできていないのが現状です。これに関しては少しずつになるとは思いますが、今後もその意味を発信していくつもりです。そしてそのことと同時に進めていきたいと考えているのが、子どもの行動から持っている力を読み解くことと、保育の中の“教育活動”を深めていくことです。これらは丁寧な観察や記録が必要であるため、確実に進めていくためにこのことをテーマとした研究発表を行うことと結びつけて取り組んでいるところです。

前者については、10月24日(土)に行われる島根県保育研究大会においてK保育士が発表することになっています。コミュニケーションや関わりの基礎となる「共感する」力を、乳児がどのように獲得しているのか。そんなことをまとめてくれています。そして後者については、来年6月に行われる全国私立保育園連盟の全国大会においてI主任が発表してくれることになっています。そのために日々の取り組みの意味を整理し直したり、新たな取り組みを始めたりもしています。今回はI主任の書いたものを借りて新たな取り組みの1つを紹介します。今後の取り組みも楽しみにしていてください。



『分けて食べる体験』
兄弟も少なかったり、物が日常的にあふれていたり、という今日。「1つの物を数人で分けて食べる」という体験が少なくなってきているのではないでしょうか?でも、子ども集団のある保育園ならできます!そこで、毎月1回「分けて食べる」ことを体験できるメニューを昼食で出してみることにしました。初回はお好み焼き。1枚のお好み焼きを5,6人で分けて食べました。各グループでいろいろと智恵を出し合って分ける姿が見られました。人数と同じ数に切り分けることを想像していたのですが、おかわりのことを考えて分ける子もいました。例えば、ある5人のグループでは全員におかわりがあった方がいいから10個に切ったらどうかと考えたり、6人のグループでは8つに切り分けて残った2つをおかわりにしようと考えたりもしていました。均等に切り分けるのは難しい子もいて、切り分けたお好み焼きを見て「こっちが小さいね」「こっちは大きいよ」と大きさを比べる声も聞こえました。これらは小学校以降の学習、特に算数につながっていく大事な体験です。



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