2016年1月8日

No.427 体験する

2016年がスタートしました。年が明けた頃には冬らしい気候になっているだろうと想像していたんですが、「これぞ冬!」といった感じの天気にはなかなかなってくれません。今冬がたまたま暖冬なだけかもしれませんが、もしかすると私たちが子どもの頃に体験していた冬の遊びを体験することが段々と難しくなってくるのかもしれません。実際に見て体験して感じたことから得たものがその人の感覚を作っていくので、子どもたちは私たちとは少し違った冬のイメージを作り上げていたりするんでしょうね。

さて、せっかく新年最初の文章なので「今年はこんなことを大事にしていきますよ」という思いを書いておきます。今年特に大事にしたいのは『体験する』ことです。わざわざ書くようなことでも、そして今まで大事にしていなかったわけでもないのですが、それでもやはり大切さを確認しておこうと思いました。上にも書きましたが、実際に体験して感じたこと、分かったことが自分の感覚や知識となっていきます。例えば知識については、今はインターネット上にたくさんの情報が散らばっていて、知らないことでも調べれば5分くらいである程度の知識を集めることができる時代です。ネット上の情報を上手く使いこなす力はこれからますます重要になってくるでしょうが、実際に見たり体験したり感じたりする過程で掴むことのできる知識が不要になるわけではありません。特に乳幼児期はこの「実際の体験」が非常に重要です。

今は便利なものがたくさんあります。例えば掃除をする場合、掃除機どころか勝手に掃除をしておいてくれるものまであります。あれはあれで技術の進歩を感じることのできるすごいものですが、ほうきやちりとり、雑巾などを使った掃除にはちゃんと意味があり、掃除の過程で道具の使い方だけでなく身体の使い方、きれいになっていく理屈なんかも学ぶことができます。そして火を使う場合、ライターで簡単に火はつきますし、コンロなどはスイッチ1つで便利に使えます。反対にマッチで薪に火をつけるのはかなり大変な作業です。でもその作業の過程には火の不思議さがたくさん詰まっていますし、怖さと便利さをきちんと学ぶことができます。そしてこうした具体的な体験は小学校以降の学習にちゃんとつながっていきます。

というわけで『体験する』ことを大事にしていくわけですが、これは子どもたちだけではありません。私たち保育者も実際に見たり聞いたりという体験に力を入れていこうと考えています。私たちも子どもたちと共に成長していくために、体験から学び、それを保育に活かしていく1年にしたいと思います。今年もよろしくお願いします。

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