2016年10月14日

No.465 柔軟さ、調整力、多様さを楽しむ感性




運動会から3週間が経とうとしていますが、今でも運動会の取り組みが遊びの中で繰り広げられています。上の写真は子どもたちだけでリレーをするために集まっているところ。チームの人数を調整し、走る順番を決め、スタート・ゴールの位置を決めて…と準備をしている場面から見始めたのですが、全てが決まっていよいよスタートかと思ったら、そこへ小さい子が「入れて〜!」とやって来ました。時間をかけて調整をし、やっとスタートできるところまでこぎ着けたのに、ここでその子を加えると人数が合わなくなるし、走力をみてどちらのチームに入れるかを考える必要も出てきます。ここは少し待ってもらって2回目のリレーから入ってもらう選択肢もあるんじゃないだろうか、子どもたちはどうするんだろう?と、次の展開を楽しみにしながら見ていました。

子どもたちの判断は非常に早く、「いいよー、じゃあこっちのチームに入って、こうしてああして…」とどんどんチームの変更が進んでいきました。もちろんそう判断する可能性が高いのは知っていたので特に驚きはしなかったのですが、その後の行動の速さにはちょっと驚かされました。一見簡単そうにやっているように見えましたが、この行動の難易度は結構高いと感じました。一度決まったことを変更する決定をあっさりとしてしまう柔軟さ、メンバーの入れ替えを瞬時にやってしまう調整力、そうした行動の元になる「いろんな子が加わった方がリレーはおもしろくなる」と感じる感性は、どれも子どもたちに身につけてもらいたいと考えているものです。リレーが始まるまでの短いやり取りでしたが、子どもたちが日々の生活や運動会を通して学んでいることが詰まっていて、興味深く見させてもらいました。もし保育者主導で行っていたとしたら、決してこんなやり取りは生まれていなかったでしょうね。

もちろんこうしたやり取りは他の子どもたちの前で繰り広げられています。その時の様子を注視している子の姿は見られませんでしたが、内容は違っていても似たようなことは日々行われていて、それらを見る機会はあちこちにあります。「どんな力をつけていけばいいのか」も見て学ぶことができるのが保育園です。4月から認定こども園になって1号認定(基本の生活時間は9時〜14時)の子が加わることになると、今までにはなかった小さな変化が生まれてくる可能性があります。互いに影響し合う存在が多様になることは、当然大変なこともあるでしょうが、その大変さも含めてどの子にとっても育ちのきっかけが増えることでもあるので、そのことも楽しみにしています。

0 件のコメント:

コメントを投稿