学校27・この学校の根底にあるのは、「人間には自己教育への鮮烈な欲求がある」という考え方だ。人間には、おとなになりたい、必要なことをどうしても知りたい、という本能が埋め込まれている。「教育」とは、本来、誰もが持っているはずの、そんな「自己教育」の本能が発動するのを助けることだ。
— 高橋源一郎 (@takagengen) 2012年1月16日
これは高橋源一郎氏(文学者、明治学院大学教授)が、アメリカのサドベリー・バレー・スクール(4歳〜19歳までの子どもが通う私立校)の教育について、ずいぶん前にTwitterに書き込んでおられた言葉です。この言葉がずっと気になっていて、今回ここで取り上げることにしました。サドベリー・バレー・スクールの教育哲学は「幼年期に子供に信頼と責任を与えることによって、自分が何をしたいのか、なぜそれをしたいのか、どうやってそれを成し遂げるのかを子供は学ぶことができる」というものです。教育という言葉の本来の意味「持っている力を引き出す」の実践を追求している学校だと理解しています。
なぜこんなことを書いているかというと、この考え方が保育とも共通点が多いと考えているからです。子どもが持っている「自己教育の本能(自ら伸びようとする力)」を信じ、その力がどんどん湧きだしてくるような関わりの場を作り出し、環境を設定することが、私たち保育者の役割です。「子どもは白紙の状態で生まれてくるので、大人がそこに色をつけていく」というのは、既に過去の考えになっています。様々な研究の結果、「子どもたちの持っている力を、大人だけでなく子ども同士の関わりの中で引き出していく」というのが今の考え方です。保育園に限らず乳幼児が生活する場はこのような場であるべきで、子どもたちの成長には欠かすことのできない場です。そうであるなら1人でも多くの子どもに利用してもらえる施設に近づけていきたい、そんな思いから認定こども園へ変わることを決めました。
以前書いたように、子どもたちの生活に変化はありません。ただ、今までは市と契約を交わすことで利用してもらっていたものが保育園と契約してもらう形に変わることなど、保護者と保育園とでやり取りすることが新たに出てきます。そうしたことについての説明会を今月14日に予定していましたが、準備が遅れているため延期させてもらいます。日程が決まればお知らせしますので、ぜひご参加ください。子どもたちの生活は変わりません。保護者のみなさんと共に、地域の方々と共に保育を作りあげていく思いも変わりません。安心して来年度を迎えてもらえるよう、準備に励みます。
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