2017年2月10日

No.481 卒園後のことも

以前ぞう組さんとの「事務室での食事会」について書きましたが、その第2回目が始まっています。おそらく今年度は今回で最後になると思うのですが、やはりこの食事会は楽しいです。まず、「今日はこの部屋で食べるからね!」と、嬉しそうに子どもたちが伝えに来てくれます。早くから楽しみにしてくれているのがまっすぐに伝わってきます。そして食事中の会話が全く途切れません。こんなことがあった、あんなことをしたと、いろんなことを話してくれます。会話に夢中になり過ぎて食事が進まなくならないよう気をつけていますが、でもやはり食事の場は楽しいものであるべきですね。

この食事会はぞう組さんだけの活動です。ぞう組だけの活動はこの他にもたくさんあって、特に今は小学校へ向けた移行期間と捉えているので、移行のために単独で行う活動はかなり増えています。小学校での学びを下支えしてくれる、そんな力をどう育んでいけばいいか、そのことについて考え続けてきたことを実践しているわけですが、同時に小学校以降の活動の中でこんな力をつけてほしいといったことも、私たちが直接何かできるわけではありませんが、どうしても考えてしまいます。

保育園においては、多様な他者との関わりの中で自分の力を知り、その力をもって他者や集団に貢献すること、多様な他者がいることを楽しめること、そんな力をつけてくれることを期待しています。次の段階である小学校では国語や算数などのある意味限定的な教科の枠がありますが、それとは別に、保育園でつけた力を基にしていろんな力もつけてほしいと願っています。例えば、毎日の生活や身の周りにあることを、より楽しむことのできる力。自分の思い通りにいかないことや落ち込んでしまうことも増えてくるけど、それらに柔軟に向き合っていく力。より幅広く多様になっていく人間関係を楽しむ力。それらを一時期だけのものとせず、長く継続させていく力。保育園を卒園した後の経験がそんな力につながっていけばいいなあと思っています。

学校の勉強は大切です。保育園でもそこにつながっていく体験を数多く用意していますし、軽視するつもりはありません。ただ、それだけではちょっと寂しいというのが本音です。教科という枠の中の評価という価値観だけでなく、それ以外の場の価値観、家庭や地域、様々な人間関係の中の、学校とは違う多様な価値観に触れ続けてもらいたいです。その中でも特に学校とも家庭とも違う「第3の価値観」に触れることは大事です。その第3の価値観を伝える役割なら、卒園後の子どもたちに対して、あさり保育園の持っているものを生かして何かできるはず!と、思いを整理しているところです。

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