気づかれた方もいると思いますが、りす・うさぎ組の室内環境が少し変わりました。「えっ、どこが変わったの?」と思った方はぜひ覗いてみてください。以前は廊下側にあった食事をとるスペースが園庭側に移動し、廊下側は遊びのゾーンになっています。大まかな変更をしただけなので、これからまだまだ変化していく部分もあると思いますが、今回の変更で以前から気になっていたことが改善されていくのではと思っています。
何を目的とした変更かというと、スペースの関係もあって2つの部屋に分かれて食事をとっていたりす・うさぎ組の子どもたちが、全員一緒の空間で食べられるようにすることです。あさり保育園では食事の際も「見ることや見られることで互いに刺激を受ける」ことを大事にしています。まだ自分1人では食べられない子が、自分で食べている子の姿を見て真似をしようとしたり、スプーンやフォークの使い方を真似しようとしてみたり。また、見られていることで張り切ってみたり。そうやって刺激を受け合いながら、自らやってみようとする気持ちを持って食事をとる、そんな環境をいつも探っています。その意味から、「廊下にテーブルを並べて食事をとっているぱんだ組の姿」も意識してもらいたいという思いで、部屋の廊下側に食事のスペースを設けていたのですが、今回は「りす・うさぎ組が全員同じ場所で」を優先し環境を変えたというわけです。もちろん出来ることなら両方実現できる環境にしたいという思いはあります。でもそれ以外の条件も絡んでくるため、今回はこのように優先順位を決めました。

『あちらを立てればこちらが立たず』という言葉がありますが、よくよく考えてみると周りにあるのはこんなことばかりです。そんなときにあさり保育園では、今子どもたちに何を体験させてあげるかを基準にします。
先々こんな力をつけてもらいたい → 今の子どもたちの発達はこう → だとしたら、あちらも捨てがたいけど、今体験できるようにすべきなのはこちらかな
こんな感じで今回の室内環境の大枠も決まっていきました。当然子どもたちの「今」は変わっていくので、環境の見直しは頻繁に必要になります。そんなとき「あちら」と「こちら」のバランスをどうとるか?意図を持ち、子どもたちの姿を見て、今後も考えて続けていきたいと思っています。
へびからうまへ変わっていくんですねえ。
まだ少し早いけど。


以前「情緒の安定」ということについて書いたことがありますが、子どもたちが経験を通して学んでいくとき、情緒が安定していることはとても大切です。この情緒の安定のためにどのようなことがポイントなのかを、例えば保育園の食事の場面で見られる様子から書いてみることにします。
最初は①欲求を適切に満たすことです。子どもの中には食べる速さがゆっくりの子もいます。もしダラダラと食べて遅くなるのであれば早く切り上げた方がいいけど、「自分はこれとこれが食べたい!」と思っていて、でも食べる速さが遅いという場合は、その欲求を満たしてあげることが情緒の安定につながります。でも、時にはそれを叶えてあげられないときもあります。早く片付けをしてしまわないと次の予定が…ということもありますよね。そんな時には次のポイント、②共感してあげることです。欲求を満たしてあげることができない場合は「ゆっくり食べたいよねー。だけどもう洗って片づけてしまわないといけないから。」と、まず子どもの気持ちに共感してあげて、それから理由を説明してあげるが大事です。
そして3つ目には③自分に自信を持つということがあります。自信を持つのはどういう時かというと、誰かにやらされるのではなく自発的に何かに取り組んだときです。ゆっくりといつまでも食べている子に対して「早く食べなさい!」といったことを言うよりも、自分で早く食べ終わったときに「すごく早く食べられるじゃない!」といった声をかけ、よくできたときにそのことに対する自信を持たせることが大切です。
そして4つ目は④生活のリズムです。食事をきちんとリズムをとって食べることも情緒の安定につながります。逆にいつまでもダラダラ食べるのは情緒が不安定になる場合もあるわけです。そんなことから保育園では時計や図や文字などを使って食事の時間を具体的に示すようにしています。また、次にやることを示してその後の流れや1日の流れを知らせることで、子どもたちは生活のリズムを知っていきます。そしてその生活を通して、自分自身で「この時間までに食べてしまおう」と物事を切り上げていくことも学んでいきます。
突然「情緒の安定」のことなんかを書いてみたわけですが、食事の場面以外でも子どもへの対応を考えるヒントになると思うんですよね。