
14日(火)は「みんなでごはんを食べる日」でした。「えっ?そんなの当たり前でしょ?」と思われるかもしれませんが、いつも一緒に食べている“みんな”とは少し違っています。今回はこの活動の話を。
この「みんなでごはんを食べる日」は0歳から大人まで、保育園にいる全員が一緒にごはんを食べる日です。以前から鍋料理の日にはこうした取り組みを行っていましたが、今回はごくごく普通のメニューの日でした。この活動の目的は①いろんな発達(食べ方)を知り、刺激を受ける・真似る②みんながそろうまで待つ③年上の子が年下の子のお世話をする思いやりの気持ち④おかずを分けて食べる→何個ずつ盛り付ければよいか考える(数の概念)といったことがあり、これは掲示板でもお伝えした通りです。

この日私は他の用事があって一緒に食べることができなかったのですが、特にぞう組さんは張り切って小さな子のお世話をしてくれたと保育士からたくさん話を聞かせてもらいました。4月から半年経ち、お手伝い保育などの活動もたくさん経験することで、小さな子に対しての関わり方がかなり変わってきているぞう組さん。普段の子ども同士の何気ない関わりの中でもそのことを感じさせてくれます。そんなぞう組さんの姿を見ているきりん組、くま組の子どもたちも、間違いなく刺激を受けています。そして少し驚いたこともありました。ぱんだ組のRちゃんがおかわりのごはんをよそっていたところに、同じくおかわりをしたいうさぎ組のKくんがやってきました。するとRちゃんはKくんの差し出した茶碗を無言で受け取り、ごはんをよそってあげたそうです。普段保育士のやっていることを見ていたこともあるでしょうし、この日の食事の場でぞう組さんの姿を見ていて真似をしたということもあると思います。このように、他者がやっていることを見て真似をするということは、子どもたちの成長には欠かせないことです。今回紹介したのは目的の①と③でしたが、今後この活動を行っていくことで、②や④についても興味深い姿が見られるのではないかと楽しみにしています。
11月末には発表会があり、それに向けた取り組みが始まっています。クラスに別れての取り組みが多くなりますが、その様子を他のクラスの子も見ることができるようにしています。“見ること”と“見られること”はどんな活動でも大切にしていきます。
11月になると来年度の入園申し込みが始まります。いろんなお知らせで既に知っている方は多いと思いますが、来年度から「子ども・子育て支援新制度」がスタートします。それによって入園の形態が少し変わることになるわけですが、市からのお知らせだけではよく分からないという方は遠慮なく聞いてください。また、今月行う入園説明会でも新制度の説明を少しさせてもらいますので、その機会もぜひご利用ください。
この新制度によって入園の形態以外にも変わることがあります。それは保育園における「教育」の意味です。保育園では教育を行っているのか?ということが、より具体的に問われることになると思っています。教育というと知識の伝達のようなことをイメージされるかもしれませんが、保育園で取り組むべき教育はそれとは違います。小学校での学習を早く始めるのではなく、小学校での勉強がより深まっていくような豊かな体験をさせていくこと、小学校での勉強の基礎を作っていくものでなければいけません。
例えばこんなことがあります。小学校1年生では、ひらがな・カタカナをそれぞれ48字(濁音等を入れるともう少し増えます)と漢字を80字、全部で約180字を習います。1年間で新しい文字を180字覚えるのは結構大変なことです。それでも覚えていけるのは、身の周りにその文字があり、いつも目にしているからです。大人でも「アラビア語を1年間で180字覚えなさい」と言われたら、かなり苦労するんじゃないでしょうか。小学校で文字をスムーズに覚えるためにも、まずは文字に日常的に触れておくことが大事です。あさり保育園では普段から文字をたくさん目にする環境をつくっていますが、これは小学校の国語の学習につながっていくことになります。
また、字を書くためには手を思い通りに動かす必要があります。自分の意思で動かすことの出来る筋肉を随意筋(ずいいきん)といいますが、この随意筋が育つ活動をしていくことが大切になります。例えばひも通しやパズルなどの微細運動がそうです。そして随意筋が育ち細かな動きができるようになると、その結果としてボタンをとめられるようになったり、ご飯をきちんと食べられるようになったりと、基本的生活習慣の自立が起きてきます。つまり、保育園で大事にしている「基本的生活習慣の自立」は、文字指導にもつながっているわけです。基本的生活習慣の自立に向けた活動を十分に体験させることや、更に細かな動きを必要とする迷路遊び・マンダラ塗り絵なども文字指導につながる大事なことです。こうした保育園の活動と学校での学習とのつながりについては、少しずつにはなりますが、具体的に説明できるようにしていきますね。

10月のもくもくの日は保護者の方の参加も募っていて、現在のところ3名の方が参加されることになっています。もくもくの日の活動の趣旨や内容について、実際に体験することでより深く知ってもらいたいという思いがあります。子どもたちがどのように活動しているのか、地域とのつながりはどのように生まれているのかといったことを見てもらえる機会になると思うので、興味のある方はぜひご参加ください。
既にお知らせしましたが、今月のもくもくの日のグループは子どもたちだけで決めてくれました。「10月10日のグループは、ぞう4人、きりん4人、くま5人」「10月17日は…」と書かれているボードがあり、その数字を越えてしまわないよう考えながら自分の行きたい日を決めていきます。当然「○○ちゃん、一緒に行こうね」と友だちと相談して決めたりする子もいるので、どうしても人数がオーバーする日ができてしまいます。誰かが他の空いている日に移動すれば解決するのですが、じゃあ誰が移動するのか?を決めるのは大変なことです。大人でも同じ状況になったら悩みそうですね。

でも年長さんはそこでしっかりと力を発揮してくれました。それぞれに思いがあるのを認めながら、でも決めなければいけないので話し合って調整をしてくれました。全員が第一希望とはいきませんでしたが、納得のいく形を見つけてくれたようです。自分の行きたい日を自由に決められるというのは一見楽なことのように思えるかもしれませんが、今回のように最終的には自分たちの責任で調整をしなければいけないことが出てきます。それ以外にも、保育園では自分で選ぶ場面がたくさんありますが、それは自由には責任が伴うことを体験してもらうためでもあります。
社会に出ると自分で決めなければいけない場面がたくさんあります。そのときに戸惑ってしまうことのないよう、幼児期には楽しみながら自由と責任を体験してもらいたいと思っています。そして今回のように、意見の違いで衝突することも体験してもらいたいことです。そんなときに違いを感じて葛藤しつつも自信をもって自分を主張できるようになってもらいたいですし、お互いの自由を尊重するためにも個々の意見を調整できるようになってもらいたいと思います。