2014年10月10日

No.365 保育園の活動と教育とのつながり

11月になると来年度の入園申し込みが始まります。いろんなお知らせで既に知っている方は多いと思いますが、来年度から「子ども・子育て支援新制度」がスタートします。それによって入園の形態が少し変わることになるわけですが、市からのお知らせだけではよく分からないという方は遠慮なく聞いてください。また、今月行う入園説明会でも新制度の説明を少しさせてもらいますので、その機会もぜひご利用ください。

この新制度によって入園の形態以外にも変わることがあります。それは保育園における「教育」の意味です。保育園では教育を行っているのか?ということが、より具体的に問われることになると思っています。教育というと知識の伝達のようなことをイメージされるかもしれませんが、保育園で取り組むべき教育はそれとは違います。小学校での学習を早く始めるのではなく、小学校での勉強がより深まっていくような豊かな体験をさせていくこと、小学校での勉強の基礎を作っていくものでなければいけません。

例えばこんなことがあります。小学校1年生では、ひらがな・カタカナをそれぞれ48字(濁音等を入れるともう少し増えます)と漢字を80字、全部で約180字を習います。1年間で新しい文字を180字覚えるのは結構大変なことです。それでも覚えていけるのは、身の周りにその文字があり、いつも目にしているからです。大人でも「アラビア語を1年間で180字覚えなさい」と言われたら、かなり苦労するんじゃないでしょうか。小学校で文字をスムーズに覚えるためにも、まずは文字に日常的に触れておくことが大事です。あさり保育園では普段から文字をたくさん目にする環境をつくっていますが、これは小学校の国語の学習につながっていくことになります。

また、字を書くためには手を思い通りに動かす必要があります。自分の意思で動かすことの出来る筋肉を随意筋(ずいいきん)といいますが、この随意筋が育つ活動をしていくことが大切になります。例えばひも通しやパズルなどの微細運動がそうです。そして随意筋が育ち細かな動きができるようになると、その結果としてボタンをとめられるようになったり、ご飯をきちんと食べられるようになったりと、基本的生活習慣の自立が起きてきます。つまり、保育園で大事にしている「基本的生活習慣の自立」は、文字指導にもつながっているわけです。基本的生活習慣の自立に向けた活動を十分に体験させることや、更に細かな動きを必要とする迷路遊び・マンダラ塗り絵なども文字指導につながる大事なことです。こうした保育園の活動と学校での学習とのつながりについては、少しずつにはなりますが、具体的に説明できるようにしていきますね。

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