2008年2月1日

No.30 子どもの持っている力を引き出すということ

先週の話ですが、ぞう組さんと浜田でスケートをしてきました。スケートは初めての子が多く、みんな滑ることができるだろうかと正直心配でしたが、指導にあたってくれた人の話を聞き、そうした心配はなくなりました。

その指導者は次のようなことを言われました。「私は子どもたちに滑り方は教えません。子どもたちが持っている力を引き出すためにヒントを与えるだけです」「最初にスケート靴に慣れるために、スケート靴を履いた状態でしっかり歩きます。その後、転び方と起き上がり方の見本を示して、それを実際にやって体に覚えさせます。」「後はちょっとのことでもできるようになったことをしっかりほめてあげれば、それが自信になり挑戦する意欲につながり、そうしているうちに子どもたちは滑ることができるようになります。」子どもの持っている力を引き出すだけというこの指導法で、1時間後には子どもたちは全員氷の上に立ち、滑ることができるようになっていました。

素晴らしい力を持っていて、その力を見事に発揮した子どもたちの姿を見ていて感動しました。そしてこの指導法にも非常に共感できました。まず子どもたちが持っている力を信じること。これがなければ"引き出す"という考え方にはなりません。この指導者の考えを聞いたとき、「教育」という言葉の語源を思い出しました。教育=educationの語源は、ラテン語のeducoからきているといわれています。このeducoという語には、「育てる」という意味と同時に「引き出す」と言う意味も含まれています。つまり教育とは、「人間に本来備わっている能力や性質を、外部からの作用によって引き出し育て上げる」ということになるわけです。この指導者の関わりは、まさに教育だと思いました。

「何もできない、何も知らないのが子どもなのだと思うのではなく、子どもは自ら育とうとする力をたくさん秘めている存在だと考え、子どもを信じてあげること。そして、その持っている力を引き出すために、ちょっと手伝ってあげればいい。」子どもに対しての関わり方について共感できることが多くあった1日だったので、書かせてもらいました。

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