2010年10月29日

No.166 自転車の免許証

あさり保育所ではこの春から外遊びの遊具として自転車を取り入れています。今回はこのことを取り上げることにします。既に知っている方も多いと思いますが、あさり保育所で自転車に乗るためには免許証が必要です。免許証を手に入れるためには、ある条件をクリアしなければなりません。その条件は「自転車に乗るときの約束を園長先生に宣言する」というものです。

約束とは「乗りっぱなしにせず、きちんと片付ける」「人がたくさんいるところでは乗らない」「人にぶつからないようにする」の3つです。これらのことを伝えた上で「免許証が欲しくなったらいつでも言ってきて」と話してあり、今現在免許証を持っている子は23人です。(ちなみに、「約束が守れなかった場合は、1週間の免停」になるというルールもあります。)

自転車に乗ることについて、私は2つのことを考えています。まず1つ目は、自転車に乗れることがすごいのではないということです。みんなに自転車に乗ることを楽しんでもらいたいという思いはあります。自分の足で走るのとは違うスピード感は爽快ですし、何より、乗れるようになったときに達成感はできるだけ多くの子に体験してもらいたいと思っています。でも、それ以上に体験してもらいたいことは、ルールを守るということです。当然のことですが、道路を走る場合、守らなければいけないルールがあります。ルールに従って乗らなければ他人に迷惑をかけてしまうことになります。これは保育所という社会の中でも同じで、好き勝手に乗っていては、みんなで楽しむことはできませんし、怪我をする子も出てきてしまいます。ルールを守って乗るから自転車は楽しめるんだということを、体験を通して感じてもらいたいと思っています。

そして2つ目は、選ぶことで責任を学んでほしいということです。免許証を手に入れるかどうかは本人の自由になっています。これを無条件で全員に渡すとなると、自分の責任で約束を守ることは難しくなると思います。自由というのは好きなようにさせるということではありません。人は自分で決めたことをやらない限り、責任をとることができません。様々な活動で、自分の意志で選択する場面を多く取り入れているのは、責任を教えるためでもあります。「ボクはぞう組になったら免許証をもらいにくる」と宣言しに来てくれた子もいましたが、これもその子なりに責任を学んでいる最中だなあと、嬉しくなりました。

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