2012年7月12日

No.252  丸太で作った遊具のはなし

先月、「園庭の役割」ということでいくつか思いを書かせてもらいました。例えば園庭のポイントとして「運動」があり、揺する、走る、バランスを保つ、よじ登る、といった基本的な運動を通して、子どもたちは様々な感覚を獲得していき、そうした遊びに熱中する中で耐久力、体力、忍耐力、反応や敏捷性、柔軟性が鍛えられていく、といったことです。また、筋力のつかない乳幼児に筋力を鍛えるようなことは必要なく、いろんな種類の運動の要素があった方がいい、そんな話でした。

今の園庭を見渡したとき、乳児の運動(もちろん遊びを通して自然にできるもの)の場がもっとあってもいいかなと思っていて、ちょうどB保育士がある遊具の製作を提案してくれたのでお願いすることにしました。まだまだ製作途中の段階で、しかも遊具と言っていいのかわかりませんが、園舎と鉄棒の間に置かれた丸太たちがソレです。

大人だったら2,3歩で渡れてしまうようなモノですが、乳児の場合はバランスをとりながら慎重に渡らないといけないですし、小さい子ほど両手をついてでないと渡れなかったりします。例えば日常ではあまりしない動きですが、両手をついて前向きに下る動きなんかは、想像以上にいろんな力が必要なんですよね。つまり、ここを日常的に渡ることで運動機能に刺激を与えようというのが、B保育士のねらいでもありました。













もちろん子どもたちは何度も何度も渡ってくれましたが、しばらくするとベンチのように座って、そこでくつろいでいる姿が見られるようになりました(ちょっとわかりにくいですが右の写真)。こちらが意図した使い方にはならないことはよくあることで、これはこれでいいと思っています。この様子を踏まえて、B保育士はこの遊具を発展させてくれるはずなので、むしろ楽しみなくらいです。こんな場はこれからも増えてくると思います。「このモノにはどんな意図が隠されているのか?」そんな疑問があればどんどん尋ねてくださいね。

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