2012年11月15日

No.270  棒の取り合いから始まった関わり

先日、園庭で子どもたちのおもしろい関わりを見ました。いろいろと奥の深い関わりだと感じたので紹介させてもらいます。きっかけは2人の男の子です。いろんな遊びに使えそうな、いい感じの木の棒を取り合っています。2人とも絶対に譲らないという思いがしっかりと伝わってくる、そんな取り合いでした。もちろん危険な状況になれば止めるつもりで見ていたのですが、そこから状況が変化していきます。

2人の様子に気づいた女の子が「お〜い、ダメだよ〜!」と言いながら遠くから走ってきます。また別のところで遊んでいた女の子も「ダメー!」と言いながら、そのとき明らかに優勢だった男の子の方を止めに入りました。別の男の子もやってきて、少し離れたところからケンカは良くないということを一生懸命に訴えています。そうこうしているうちに取り合っていた棒を最初にやってきた女の子が取り上げてしまい、興奮していた2人の男の子は争いの元がなくなってしまったこともあってか少しずつ落ち着いていき、みんなもその様子を見ながらそれぞれの遊びに戻っていきました。

このやり取りは全てぱんだ組の子どもたちによるものです。他のクラスの子どもたちは用事のため園舎内にいて、たまたまぱんだ組の子どもたちだけが園庭にいるときに起こった出来事でした。他の子がいれば、例えばぞう組さんたちがいれば、また違ったことになった気もしますが、このときはぱんだ組の子どもたちだけでこのトラブルを見事に解決してしまいました。ケンカをしてる子がいて周りの子がそれを収めるという、言葉にすればたったそれだけのことなんですが、普段から関わる体験を十分にしているという土台がないとできないことなのは間違いありません。そして友だちとどのように関わればいいか、ケンカが起きたときにはどう解決していけばいいか、上の子の姿を見て学んでいることも大事なポイントです。他の子との関わりの機会、他の子を見る機会の大切さを改めて感じた出来事でした。

さて、2週間後には発表会が行われます。言葉のやりとりや体を使ってのいろんな表現を楽しんでほしい、そんなことを目的に発表会に向けての取り組みを行っているところです。できるようになったことや、楽しいと感じ興味を持ったことに取り組んでいる姿を、みなさんと一緒に楽しみたいと思います。

2 件のコメント:

  1. 別の光景も思い描きます。
    「先生、先生、〇〇ちゃんがけんかしてるよ」
    ・・・そして、先生が解決しました。
    (これは大きな違いですね)

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    1. 確かに全く違う意味になりますね。
      ゆっくりではありますが確実に成長していることを感じてうれしくなりました。

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