先日のことですが、ぞう組さんが発表会の出し物について話し合いをし、その時の様子についてB保育士がうれしそうに報告してくれました。話し合いの目的は、「発表会の出し物はどの絵本の話にするか」を決めることだったようです。全員が発言する話し合いにしようと最初に確認をし、みんなが様々な意見を出し合ったそうです。そして『ロンドン橋がおちまする!』という本にほぼ決まりかけたとき、Sちゃんがそれに反対する意見を話し始めました。
Sちゃんは話の中に出てくる言葉が少し言いにくいと感じていたようで、その思いをしっかりとみんなに伝え始めました。決まりかけていることに対して反対の意見を述べるのは、大人でもなかなか勇気のいることです。でもそれをきちんと伝えたことでみんなにも思いが伝わり、「じゃあそのセリフを違うセリフに替えようよ。」といった意見も出てきて、最終的には『ロンドン橋がおちまする!』のセリフや内容を自分たちで話し合って作りあげていく、ということに決まったようです。Sちゃんもそれに納得したそうです。
あさり保育園では子ども同士での話し合いを頻繁に行います。子どもたちだけで話し合える内容だと判断したら、思い切って子どもたちに任せます。自分の意見を言うだけでなく、相手の意見に耳を傾けることや、意見を聞いた上で自分はこう考えるよと伝えることなど、コミュニケーションのために必要な力を育てていく大事な場だと考えているからです。また、自分たちで話し合って決めたことに対しては自発的に取り組みますし、中途半端に投げ出すことができません。決めたことを最後までやり切るという責任を学ぶためにも、子ども同士で話し合って決定することを大切にしています。
とは言ってもいきなりそんな話し合いができるわけではなく、やはり積み重ねが必要です。例えばぱんだ組では帰りのお集まりの際、円形のカーペットの上に輪になって集まり、その日の活動の振り返りをします。みんなの前で順番に「ぼくは○○をして遊んだよ!」「わたしは△△!」と発表するところから始まり、今では他の子どもの発言を受けて「わたしも○○であそんだよー!」と話が盛り上がるようになってきています。このような経験を積み重ねることで子ども同士のやりとりが発展していき、今回のぞう組の話し合いにつながっていくわけです。何事も積み重ねがあってこそ、ですね。
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