2013年10月3日

No.314 活動の意図について

今回は私たちが園内で行っている研修について少し紹介させてもらいます。みなさんはチャイルドビジョンというものをご存じでしょうか?子どもの視野はかなり狭く、例えば6歳児の場合、垂直方向の視野は大人約120度に対して70度、水平方向は大人約150度に対して90度しかないそうです。その子どもの狭い視野を体験できるのがチャイルドビジョンで、写真のように目を覆うようにつけて使用します。





研修の内容は、このチャイルドビジョンをつけて保育室のあちこちに隠されている小さな人形をみんなで探す、というものです。しかも子どもの目線の高さに合わせるために0,1歳児室は這いつくばったまま、3,4,5歳児室はしゃがんだままで探します。これは何がねらいかというと、「子どもがいかに狭い視野で活動していて、その視野で眺めたとき改善すべき箇所はないか」「子どもからは見えているけど大人は見えていないところ、反対に大人は見えているけど子どもは見えていないところはどんな箇所か」といったことに気づくといったことです。もちろん事前にそんなことは言わずに「みんなで探しましょう!」と楽しく取り組みました。







結果はというと、思った通りいろんな気づきが得られました。そして企画者から今回のねらいが伝えられ、それを受けて改めて見直すべき環境について保育者同士であれこれ話し合われていました。ということで今後少し変化する箇所が出てくるだろうと思います。この研修はできるだけ楽しんで行える内容にしようと企画の担当者が考えてくれるわけですが、楽しさだけではなく、どのようなことをねらいにして行うかも大事にしています。一見楽しく自由に遊んでいるように見えて、でも裏にはきちんとした意図がある活動こそ、気づきも学びも大きいと考えているからです。これは子どもたちの遊びに関しても同じです。自由に遊んでいるだけのように見えても、置いてあるおもちゃやその数、配置なんかも、子どもたちの発達課題や興味関心を考えて環境を整えています。そんな保育者の意図についても、機会をみつけて書いてみようと思います。



 ↑ 大人の目線では見えないけれど…



 ↑ ハイハイの目線で発見!



0 件のコメント:

コメントを投稿