2013年10月25日

No.317 異年齢で生活すること

先週と今週で26年度の入園説明会を行いました。新たに入園を考えておられる方を対象に行ったこの入園説明会では、毎年あさり保育園の保育についていろいろとお話をさせてもらっているんですが、今回はある1つの事に絞ってお伝えしようと決めていました。その1つの事とは「異年齢保育の目的や長所について」です。

異年齢保育というと「異年齢で関わることで思いやりの心が育つ」とよく言われます。分からないことの多い下の子に対して上の子がお世話をすることで思いやりの心や援助の気持ち、寛容さが育つというもので、これは確かにあると思います。でもそれだけではないんですよね。例えば「違いに興味を持つ」ということがあります。異年齢で生活していると、個々の違いを知る機会がたくさんあります。例えば男女差とか年齢差とか、そして個人差とか。そうした違いを知ることで、人と同じようにではなく、自分らしさを発揮して集団や社会に貢献していくことの大切さを学んでいきます。

また「下の子は上の子から刺激を受ける」ことは想像しやすいと思います。子どもは自発的な挑戦によって発達していくわけですが、自分ができることよりも難しいことをやっている上の子が周りにたくさんいる保育園では、多くの刺激を受けることができます。そして「上の子は下の子に教えてあげることで、自分の能力を定着させる」「下の子の手本となることで、自信をつけることができる」ということもあります。教えたり手本になったりすることで、上の子は自分のできることをより確実なものにしていくわけです。

このような良さがあさり保育園の異年齢での生活の中にはありますと、そんなことをお話させてもらいました。そしてこれはまだ先の事ですが、実際に4月から新しい子が入園してきた場合、保育園の生活リズムを知っている子が周りにいてくれることで、新入児が保育園に慣れていくのがスムーズになります。「こういうときにはこうするんだよ」「次は○○の時間だよ」と教えてくれる子が必ず出てきますし、何よりも安心して活動に集中している様子を見せてくれることが新入児の安心感にもつながっていきます。いろんな年齢、いろんな発達段階の子が一緒に生活することには、本当に多くのメリットがあります。そのメリットを十分に生かした場にしていくのが私たちの役目でもあります。

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