2013年10月17日

No.316 いろいろな『見る』

先日お昼寝の時間に乳児室を覗いてみると、ほとんどの子が寝ている中、うさぎ組のYくんがベランダで楽しそうに過ごしていました。近づいてみると「おー!おー!」とうれしそうな声をあげています。何をしているんだろうと見ていると、9号線を走る車がベランダから見え、それに反応しているようでした。とても楽しそうに見ていたので、一緒に見させてもらうことにし、2人で9号線の方を向きながら「また来た!また!」と車の往来を楽しませてもらいました。

「見る」ということを考えるとき、子どもの何を見るかということがあります。例えばよく言われるのが、子どもをまっすぐに見て、つまり見つめ合って「ちゃんと見ているよ」というメッセージを伝えることがあります。これはもちろん大事なことですよね。そして、この「見る」と同じくらい大事にしたいのが、子どもが興味を持っていることを一緒に「見る」ことです。子どもの横に並んで、もしくは少し離れたところから「あなたが興味を持っているものを私も興味を持って見ているよ」というメッセージを伝えることも大切にしたいと考えています。

このことについては何度も書いてきましたが、子どもが興味を持っている対象を一緒に見ることを「共同注視(ジョイントアテンション)」とか「共視」といいます。自分のことをちゃんと見てくれているということはもちろん安心感につながりますが、自分が興味を持っているものを同じように興味を持って見ていると感じることも、子どもが安心感を持つことにつながります。そしてその安心感がまた次の新しいものに興味を広げていく意欲になっていきます。そのように「見る」ためには、少し距離を置いて子どもが何に興味を持っているのかを見ることも必要になってくるというわけです。

16日(水)はととろの日で、さくら保育園にととろが姿を見せてくれました。 天気が良くなかったため今年は室内でのご対面となりましたが、子どもたちは大きなととろを見て大興奮でした。ここでの「見る」は、たくさんの友だちと同じものを見て、楽しい時間や思い出を共有するという意味があります。子どもを見る、子どもと一緒に見る、子ども同士で同じものを見る。いろいろな「見る」にはそれぞれに大事な意味があります。



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