2014年5月2日

No.343 “おもてなし”ではなく“おすそわけ”

少し前の出来事です。くま組の男の子2人が絵本ゾーンで喧嘩をしていて、それを見ていた同じくま組のYちゃんが動き出しました。側にいた保育者は、Yちゃんが2人を「なかよしテーブル」へ行くように促すか、もしくは連れていくパターンを予想していたんですが、その時は少し違っていました。Yちゃんは1人でなかよしテーブルのある場所へ行き、そこに置いてある大事な約束「・自分の気持ちを言う ・相手の話を聞く ・最後は仲直りをする」が書いてある紙を取ってきて2人に渡しました。2人はその意味を理解したようで、そのまま絵本ゾーンで自分たちの思いを話し始め、いつの間にか仲直りをしてまた遊び始めていました。

なかよしテーブルを設置している一番の目的は、相手の思いを聞き、自分の思いも伝え、仲直りをすることであって、なかよしテーブルの席につくことではありません。喧嘩をした子たちに「なかよしテーブルで話し合っておいで」と促しやすいこともあってテーブルを設置しているわけですが、その目的が果たされるのであれば場所はどこでも構いません。そのことを子どもたちは理解してくれていて、上手に応用してくれたのが今回の出来事だと思っています。なかよしテーブルという特定の場での話し合いを何年も続けてきて、その「形」ではなく、思いがぶつかり合ったときはお互いの思いをよく話せばいいんだという「中身」を子どもたちが見てくれていて、そして実践してくれたことは、とてもうれしいことです。こんな姿がたくさん見られるようになるといいなあ。



話は変わりますが、今園庭にネモフィラという花がたくさん咲いています。上の写真がその花です。この花を分けてもらえないかとある保護者から言われ、たくさんあったのでお分けすることにしました。他にもフェンネル(ハーブです)もたくさんあって、もう少ししたらお分けできるようになりそうです。野菜もたくさんできたらお分けできるかもしれません。昨年あたりから世間では「おもてなし」という言葉がよく使われているそうですが、あさり保育園は「おすそわけ」でいきたいと思っています。おすそわけとは他の人からもらったものを別の他の人に分けることをいいますが、保育園で咲いている花や採れた野菜なども私たちの力だけで得たものではなく、自然の恵みがあってこそのものです。その恵みに感謝して、みなさんと分け合うことをしていければいいなあと。「おもてなし」ではなく「おすそわけ」。大したことはできませんが、ちょっとだけ楽しみにしていてくださいね。

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