保育園の役割について考えています。保育園は保育を行うところ。これは間違いない基本的なことです。子どもたちが意欲的に活動することで確実に発達を遂げていくための環境を用意したり、最近何度か書いている「学校での学びにつながっていく」乳幼児教育を行ったりと、まずはこの保育がしっかりと行われていることが重要です。そのことは当然のこととして、おそらくこれからの保育園はそれ以外の役割も求められるようになると思っています。
例えば「地域の文化を伝承する」ということがあります。保育園では毎年祖父母のみなさんを招待して「餅つき会」を行っています。これは餅つきという文化を子どもたちに伝承することが目的なんですが、その行事に来てもらう対象は子どもと祖父母だけでいいんだろうか?と考えています。私が子どもの頃は杵と臼を使った餅つきを家庭でも行っていましたが、餅つき器が登場して以来、あっという間に杵と臼の出番が減ったように思います。ある保護者から聞いたんですが、ホームベーカリーでも餅が作れてしまう時代になったそうですね。3世代で集まったり近所の人と集まったりして賑やかに行っていた餅つきの風景は、今では貴重なものになっています。
今まで保育園で行ってきた餅つき会は、先にも書いたように祖父母と子どもたちが一緒に行います。子どもたちが餅つきを体験する場でもあり、祖父母の技を見せてもらう場でもあります。でも文化は代々受け継いでいくものだと考えると、そこにお父さんお母さんがいて、みんなで一緒に餅つきを楽しむこともいいでしょうし、大人の作業の早さや正確さ、力強さといったものをもっと見せてもらう場にしていくことも必要なのではないかと考えています。今年の餅つき会は12月の予定なので、時間の関係上考えていることをどこまで形にできるか分かりませんが、お父さんお母さんの協力をお願いすることになれば、その時は力を貸していただきたいと思います。保育園という場を使って文化を伝承するために、それぞれの世代でできることを考えていきます。
もう1つは「地域の中での役割」です。これについてはまだ考えがまとまっていませんが、保育園を利用するのは子どもとその保護者だけでなく、地域の人が持っている力を発揮してもらえる活躍の場もちゃんとあって、たくさんの人が当たり前のように保育園に集まってきて、そのことによって子どもたちが多様な社会を学ぶことにもつながる。中心には子どもがいて、そこに地域の大人が集まってくる。そんな場にしていくことも必要だと思っています。このことは時間をかけて整理し、形にしていくつもりです。
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