2014年11月14日

No.370 「3」という数の話

子どもが数をどのように理解し、それがどのように算数につながっていくのか。このことを順序立てて理解しておくことは大事なことだと思っています。例えば「いーち、にー、さーん…」と数を唱えることを数唱といいますが、この数唱ができることと数を数えることとは違います。数唱は、単にリズムとして口ずさんでいるだけという場合もあるからです。数を理解するというのは、まずは具体的なものと数が一致することから始まり、以前書いた「なかまづくり(物の集まりを知ること)」やランチルームの後ろに置いてある冊子でも取り上げた「大きさ比べ(大きい小さい、長い短いなど)」を経て、少しずつ理解を深めていくわけです。と、ここまで書いていて、数の話を文章だけで表そうとすると余計にややこしく感じてしまうことに気づきました。やはり具体的な話をした方がいいですね。

今回は「3」という数の話。この「3」は割と早い段階から大きさを掴みやすい数のようで、まずはここから理解を進めていった方がいいと言われています。数の理解とは、まずはその物の大きさ(多さや量)を掴むこと、そしてそれを言葉にして言えることです。これを表す言葉が1、2などの「数詞」で、物の大きさ(多さや量)と「数詞」の関係を二者関係といいます。例えば下の写真だと「鉛筆の数は9」と表現できること。そして「鉛筆を2本取って」と聞いてその本数をそこから取り出せること。それらを理解できることが「数」を理解するということです。



この「数の理解」を進めていくときに、「3」はなかなか便利な数であることが分かります。早い段階から把握しやすい数だということや、3は2と1を合わせたものとも言えたり、右から何番目、左から何番目といった順序性が出てきたり(1だと右も左もありませんし、2だと単に右か左かになってしまいます)と、数の持つ様々な性質を備えているからです。そんな大事な数字だからこそ普段からその数字に触れ、そして意識して使えるように、例えばぱんだ組(2歳児)の色鉛筆立ては、写真のように色ごとに3本ずつ立てておけるものを用意しています。「3」という数字を遊びの中で体験できるようにしておくことも、先の算数へとつながっていく大事な環境と考えています。数の環境についてはまだ考えなければいけないことが多いのですが、私たちも数を楽しみながら環境を整えていきます。

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