2015年12月18日
No.425 文化を伝承するということ
先週の土曜日は餅つき会でした。昨年の餅つき会から、祖父母のみなさんだけでなくお父さんお母さんにも協力してもらう形に変えてきました。保育園では餅つき会を「文化を伝承する」行事と位置づけています。祖父母のみなさんから園児に餅つきの文化を伝えてもらうのですが、ふと「今のお父さんお母さんは臼と杵を使った餅つきの経験がどのくらいあるんだろうか?」と疑問が湧いてきました。今の園児が親になったとき、今のお父さんお母さんは祖父母として餅つきの文化を伝える役になるわけです。ということは保護者のみなさんに餅つきの経験がないのであれば、この先文化を伝承する行事が成り立たなくなるのではないかと心配になりました。そこで一部の方ですが餅つき経験について聞いてみると「経験無し」の方が多かったため、お父さんお母さんにも協力のお願いをして一緒に餅つきを楽しむ形に変えることにしました。ただ、現状はたくさんの方に参加してもらうことが難しいので10名限定とさせてもらいましたが、少しずつでも受け入れの枠を増やしていければと思っています。
当日は祖父母のみなさんの丁寧な指導のもと、お父さんお母さんにも餅つきを楽しんでもらいました。つきたてのお餅を食べる時間と重なってしまったため、子どもたちに十分その様子を見てもらうことはできませんでしたが、三世代でにぎやかな餅つき会を楽しむことができたと思っています。餅つきに限らず文化を伝承する取り組みについては、長く受け継がれていくために何をすべきなのかも丁寧に考える必要があるんでしょうね。
子どもたちに伝えていきたいことといえば「掃除」もそうです。保育園で保育者が行う掃除は、可能な限り子どもたちが見ることのできる時間帯に行うようにしています。掃除をしなければきれいに保つことはできないことを、子どもたちにはちゃんと見える形で伝えたいですし、見せることをしなければ掃除の方法が分からないため子どもたちに掃除を任せることも難しくなってきます。また、例えばほうきや雑巾を使った掃除などは、掃除としてだけでなく、ほうきの持ち方や動かし方、雑巾の絞り方や拭き方などの動き自体にもちゃんと意味があります。手だけでなく体全体を育てていく大切な活動だと捉えると、生活をすること自体も丁寧に行っていかなければいけないと思わされます。今年もあとわずかとなってきました。保育園でも大掃除を予定しています。大掃除も大事な学びの場です。家庭でもできる範囲内で一緒に取り組んでみてください。
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