2016年6月3日

No.447 実行から観察、そして検討へ




今回は園庭にあるツリーハウスのこととその課題について書くことにします。見るとすぐにわかりますが、このツリーハウスは登り口が1カ所しかありません。ツリーハウスの中に登り棒が1本ついているだけで、他に登ることのできる場所はありません。つまり、上に登りたいと思ったら、まずはその登り棒をクリアする必要があります。登り棒を登るためには、棒を掴む、ぶら下がる、棒を足ではさみ体重を支える、手で体を引き上げるといった様々な力、それらを同時にこなす力が必要です。そんなことでまだ一部の子しかツリーハウスに上がることができていません。もっとたくさんの子が上で楽しめるようにすれば…と思われるかもしれませんが、事故防止のために必要なことと考えています。

ツリーハウスの床面までの高さは約180cm。これを安全に登るだけでなく、安全に降りることができなければいけません。だからこそ自分で登り切ることのできる力は、ここでは絶対に必要です。何かの助けを借りて簡単に登れてしまうとその高さや怖さをうまく認識できませんし、自分で降りることができない可能性は高くなります。楽しく安全に遊んでもらうために、このような高めのハードルを設けているという訳です。

そしてここからは課題となるのですが、できるだけ多くの子に登ってもらいたいし、多くの子に挑戦し力をつけてもらいたいので、登り棒のみでいいのか、登り口は1カ所でいいのかは、子どもたちの姿をよく観察して検討しなければいけないところです。そして、登りたい!という意欲をより強く持ってもらうために、登った先の楽しさを充実させることも検討が必要です。もちろん登れた達成感はあるでしょうし、高い場所から景色を眺めるという「陶酔性・めまい」の要素もあり、楽しさがないわけではありません。でも、子どもが遊びに熱中する要素には「回遊性・反復性」(気に入ったことを、飽きるまで繰り返し行えるようそのルートがあること。)もあり、この回遊性・反復性がこのツリーハウスには少し不足していると思っています。登ったら行き止まりではなく、そこから先に更に楽しめる要素があるとか、繰り返し登り降りすることで違った楽しみがあるとか、そんなことを考えていく必要もあると思っています。実行→観察→検討→実行…が保育園の考え方です。今後のツリーハウスの変化、そこでの子どもたちの遊びの変化、そしてウォータースライダーも始まった園庭全体の遊びの変化にも注目していてください。



0 件のコメント:

コメントを投稿