2012年1月27日

No.229 おいしさの自立

おむすび通信という冊子にこんな文章を書かせてもらったことがあります。

『食事の本質を考えてみると、本来は生きていくための活動をするためにあるものだと思います。子どもたちにとっての主な活動は“遊び”ですが、全身を十分に使って夢中になって遊び、その結果「おなかすいたー!」と感じる感覚こそ食事には欠かせない要素だと思うのです。』

『子どもが空腹を感じているときに求めるものが子どもにとって必要なものと捉えること、つまり、子どもは自分に必要な食べ物を選ぶ力を持っていると大人が信じることが、子どもの食事をシンプルに考えるための入り口なのではないかと思っています。』

子どもの食事を考えたとき、どの栄養素をどれだけ摂取するかを考えることが無意味だとは思いません。身体の成長のためには様々な栄養を摂取することは大事だと思っています。でも優先順位を考えると、子どもの食事を長い目で見たときには、まずは「食べたい」という食欲を感じることが大事であるはずです。何を食べるかだけが語られることがよくありますが、私は満足がいくまで遊ぶことでしっかりとおなかを空かせることがセットで語られるべきだと思います。特に子どもの場合、「おなかがすいたー!」という感覚が「美味しい!!」「もっと食べたい!!」と感じるためには欠かせないことだと考えています。

そしてそれと同じくらい大事なのが、食事の楽しさを感じることです。気の合う友だちと会話をしながら食べる楽しさとか、自分が収穫したり調理したりしたものを食べる楽しさとか、様々な楽しさを感じることが食事を更に美味しく感じさせてくれることを、私たちは体験してきていますよね。

先日「おいしさの自立」という言葉を聞きました。保護者講演会にも来ていただいた藤森平司氏が言われていた言葉です。子どもたちは様々な面で自立をしていくことが大事で、その自立の中には自分で食べ物をおいしいと感じられるようになる「おいしさの自立」もあるということです。身の周りのいろんな食べ物の中で自分は何を美味しいと感じるのかを知ることや、自分の身体が今何を欲しているのかを知ることは、子どもが育つ上でとても大事な力だと言われました。「おいしさの自立」については私自身もう少し理解を深める必要がありますが、空腹感から食べたいという意欲をもつことや、食事を楽しいと感じることは「おいしさの自立」には欠かせないと考えています。またいつかまとめたいテーマです。

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