2012年1月19日

No.228 感情を表現すること

今週の出来事です。夕方数人の子どもたちが玄関の壁にかけてある「感情表現パネル」前で話をしていました。盛り上がっていたのでちょっと近付いて聞いてみると、「今日私は(イライラのパネルを指さして)これ!」「ん〜とねぇ、(ちょうしがわるいのパネルを指さして)私はこれかな」と話していました。“イライラしている子”と“調子の悪い子”がとても楽しそうに話をして盛り上がっている風景は不思議で、でもとても素直な子どもの気持ちが伝わってきました。

その子たちは決してその指さした感情に振り回されているというわけではなく、自分の体験した出来事に対して感じた感情を客観的にみつめて話をしている、といった感じでした。そして自分の感情だけでなく、相手の感情に対しても心を向けている様子でもありました。この「感情表現パネル」の目的は『まず自分の感情に気づくこと。そして自分の感情と考えを受け入れること。』ということですが、自分の感情だけでなく、他者の感情にも向き合うきっかけになっている様子を見ることができ、今後このパネルがどのような子どもたちの姿を生み出すか、楽しみになりました。

自分の感情に向き合い、その様々な感情を知ることは、他者の気持ちを理解することにもつながっていきます。他者と関わる、他者の気持ちを理解するためには相手への想像力が大事で、自分の様々な感情がそのベースとなります。例えばミカンを食べたことがない人は、ミカンを食べている他者がどんな味を感じているのかわからないはずです。それと同じように、自分が感じたことのない感情を他者が感じていたとしたら、それを想像することが難しいのは当然のことです。他者を理解するということは、実際に他者の気持ちがわかるのではなく、自分の感情に置き換えて考えることができるということです。だから様々な感情を体験し、それと丁寧に向き合う経験を、様々な人と関わることを楽しいと感じられるようになるためにも大事にしてほしいと思っています。 豊かな社会をつくっていくためには共感する力とかも、様々な感情の体験とも深く関係してきます。考えれば考える程、感情って大事なんですよね。ということで感情表現についての取り組み、第2弾も密かに計画中です。



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