2014年2月7日

No.331 前置きの長い話です




あさり保育園では、年齢ではなく発達課題によって活動を選択できるようにしていますが、これには個々の発達にしっかりと対応するという目的があります。個々の発達は様々です。○歳になったから△△ができるようになる、というものではありません。なので同じ年齢の子は同じ課題に取り組むものだと決めてしまうのではなく、個々に違っている課題に対してそれぞれが取り組めるように、活動によって取り組む内容や段階を選べるようにしています。

このことは0歳児を考えてもらうと分かりやすいです。0歳児には4月生まれから3月生まれまでいて、ハイハイのできる子もいれば、つかまり立ちができる子もいます。これを「0歳児の課題は全員ハイハイ」とするのはおかしいですよね。ハイハイの出来る子には十分にハイハイが出来る環境を、つかまり立ちの出来る子にはそれがしっかりと出来る環境を、それぞれに用意することが大事です。同じ年齢だから同じ課題を与えるのではなく、その子が必要としていることを受け取ることが出来るようにするわけです。これは平等の考え方にも通じることなのですが、与える側が同じものを与えるのではなく、受け取る側が必要としているものを全員受け取れるようにすることを、私たちは平等と考えます。全員に同じ量の食事を提供するのが公平ではなく、たくさん食べる子は「いっぱい」を、小食の子は「ちょっと」を、それぞれが選べるようにすることが公平だという話です。

前置きで半分以上使ってしまいましたが、書きたかったのは、今週からぱんだ組の部屋がぞう組の部屋に変わったことです。ぞう組は先週まできりん組くま組と一緒に生活していて個々の課題によって活動を選択していましたが、これからは「4月から小学校へ行く」という共通の課題に向けた活動も行っていきます。とは言っても学校の勉強の先取りをするわけではありません。例えばしっかりと文字を書くことにつながっていく線つなぎや迷路遊びなどを行ったり、引き続き実際に体験することを重視した活動を行っていくことになります。そしてぱんだ組はきりん組くま組と一緒に生活し始め、少しずつ生活リズムや環境に慣れていってもらう予定です。新しい環境に慣れていく様子や、教える立場になった自覚が少しずつ現れてくる様子は、見ていて頼もしく感じます。この時期の特徴でもあるそうした成長の様子をみなさんと共有しながら、今年度の残り2ヶ月を過ごしたいと思います。

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