2015年10月9日

No.415 研究発表も行います

既にお知らせしているように、10月24日(土)に島根県保育研究大会が江津市で行われます。みなさんの協力のおかげで、多くの職員がそこへ参加することができそうです。ありがとうございます。自分たちの園の保育については自分たちが考えなければいけないのですが、「自分たちだけで」というのはどうしても限界があります。多くの人から刺激を受けることでしか得られない気づきもあるので、そのための貴重な場と捉えて学んできたいと考えています。

その研究大会において、あさり保育園とさくら保育園が研究発表をすることになっています。自分たちが行っていることを整理し、多くの人に見てもらって意見をもらい、そこからまた自分たちの取り組みを振り返る機会と捉え、昨年度から研究発表をさせてもらっています。自分たちの考えを大勢の人の前で発表することは簡単なことではないのですが、そこに職員全員で協力し挑戦してくれていることをありがたく思っています。今年度はK保育士が中心になって取り組み、発表も行ってくれます。

今回発表するテーマは乳児の「共感」です。例として取り上げるりす・うさぎ組の活動の場面にこんなものがあります。年度当初は食事の際に子どもたちのおしぼりを保育者が配ってあげていたんですが、今ではその役を代わりにやってくれる子どもが出てきています。1人ひとり名前を呼んで「どうぞ」と言いながら配ってくれています。大人からやってもらっていたことを今度は自分がやってあげるという、役割交代というものです。この役割交代を通して、子どもは相手がどんな思いでその行動を行っていたのかを察することにもなります。そうやって他者の思いを察することができるようになるのが共感で、その共感ができるからこそ相手を助けようとする思いも育っていきます。

この役割交代は他者に共感する、すなわち社会性の基礎の力を獲得するために必要なことで、だからこそ役割交代を十分に行うことが必要です。大人がやるとすぐに終わってしまうことでも、子どもに任せると時間がかかるかもしれませんし、上手くいかないこともあるでしょう。でも大事な体験だからと思い切って任せることも必要です。そして何よりもその体験をするための他者の存在があることが大事です。いろんな役割をもって活動している他者を見る場があるからこそ、その役割を自分がやってみようという気持ちが湧いてきますし、やってあげる対象(例で取り上げたおしぼりを配る場面では配ってもらう子どもたち)がたくさんいることで体験の意味はより深まります。こうした役割交代の体験を豊かにしていくことも今後の課題と考えています。

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