2015年10月16日

No.416 エディーヘッドコーチの話から

ラグビーのイングランドW杯を楽しんだ方はどのくらいいるんでしょうか?子どもの頃、新日鉄釜石の松尾雄治選手のプレーを興奮しながら観ていた私は、当時のことを思い出しながらしっかりと楽しませてもらいました。どう見ても体格やパワーで劣る日本代表がここまで強くなった理由について非常に興味を持って観ていたんですが、エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチが帰国後のインタビューで興味深いコメントをしているのを聞いてなるほどと思ったことがあります。今回はそれを紹介します。

エディーHCは次のようなことを話されています。

「日本のラグビーは本領発揮できていないと常に思っている。日本には優秀な選手がたくさんいる。日本では高校、大学、トップリーグでも高いレベルでパフォーマンスする指導ができていない。規律を守らせるため、従順にさせるためだけに練習をしている。それでは勝てない。」
そして陸上選手を引き合いに出し、
「足の速い選手に中距離選手の練習をさせたら、彼のスピードは失われます。ウサイン・ボルトはマラソンランナーのような練習はしません。ラグビー選手を育てる練習をしないといけない。そうすることにより日本のラグビー界の層を厚くすることができる。すると競争力も上がり、優秀な選手が増えた結果、代表チームが強くなります。」

これはラグビーだけの話ではないですよね。例えば「例えば、規律を守ること、従順であることが必要以上に求められていないでしょうか。」という部分。これは集団の考え方の問題を指摘しているようにも思います。みんなが同じように行動する集団が求められる時代から、個性を発揮することで他に貢献する、カバーし合う集団が求められる時代にシフトしてきているわけですが、規律や従順さを必要以上に求めていることは今でもいろんな場面であると思います。じっくりと考えたいことです。

そして「足の速い選手に中距離選手の練習をさせたら、彼のスピードは失われます。ウサイン・ボルトはマラソンランナーのような練習はしません。」という部分。これもとても大事なことですよね。以前紹介した「杉の木の両親と松の木の子ども」でも同じことが取り上げられていました。子どもの個性を伸ばし、その個性を活かして社会で活躍してもらいたいという思いは誰でも同じだと思います。だとすれば、子どもの個性を先入観抜きで見ることが出来ているか?その個性を潰してしまうようなことを押し付けてはいないか?そんなことを常に確認する必要があると訴えているように思います。

みなさんはエディーHCのインタビューを読んで、どんなことを感じましたか?

0 件のコメント:

コメントを投稿