その本は「よいこととわるいことって、なに?」という、子どもと一緒に考える哲学の本です。哲学ですが設定がおもしろく、子ども向けに平易な言葉で書かれているため読みやすいのですが、書かれているのは大人も考えさせられることばかりです。話は大人と子どもの会話の形で進んでいきます。例えば「自由」という章はこんな感じで。
大人「いつでもしたいことしていいのかな?」
子ども「しない。だって、あれしようこれしようって決められるほど、大人じゃないもん。」
大人「そうだね、でも…、大人は自分のすることをいつでも自分で決めてるの?自分のすることを決めるのに、子どもには足りないものがあるのかな?子どものうちは、キミに変わって大人が全部決めるべき?ずーっと何にも決めずにいたら、いつ決められるようになるんだろう?」
同じ問いに対してこんなやり取りを繰り返し、自由について考えていく内容になっています。そして章の最後には作者のまとめがあり、こんな言葉も書かれています。
『この問いについて考えることは、つまり……思いつきの「したい!」と、考え抜いた「しよう!」、二つの違いをはっきりさせること。』
自分のしたいことを自分で決められるようになるためには、そして「したい!」と「しよう!」の違いを理解できるようになるためには、自分で決断して行動し、多くの成功と失敗の体験を積み重ねていくしかないと思っています。そしてそれを乳幼児期から体験していくことが必要だとも思っています。私たちが「自分で決めて行動すること」を大切にしていることとつながっているなあと思い、紹介させてもらいました。
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