先日、市の保健師さんと子どもの「食」についてお話する機会がありました。食は子どもたちの成長の基礎になるものなので、話題に上がることは多いですし、考える機会も当然多くなります。しかも考える切り口は様々あって、食の中身だけでなく食べ方や食べる環境など、どこを取り上げるかによって見えてくる課題はそれぞれ違っていたりします。今回保健師さんとお話したのは「伝統的な食をどのように子どもたちに伝えていくか」について。そのことについて考えたことを書きます。
「伝統的な食を伝える」と言えば、そのための取り組みとしてイベントのような形で大切さを伝えていく活動はあちこちで見かけます。「これが伝統的な食ですよー!大事なので覚えていてくださいねー!」と盛大にアピールするイベントもちろん意味はありますが、そういったイベントだけではなく、日常の中で丁寧にしつこく伝えていくことも保育園では必要だと思っています。日頃からその食に接していることによって、違う地域の伝統食に触れたときに「あれ?いつも自分が食べているものとちょっと違うなあ。」と気づいたりします。日常的な取り組みはそんなところを目指すものだと考えています。伝統的な食や味が子どもたちの食の基礎となるよう、地道な取り組みがイベントとうまく絡み合っていくよう進めていければと思っています。
私たちが子どもたちに伝えていきたい伝統的な食は和食。ごはん+味噌汁+おかず+お茶の組み合わせです。決して特別なものではなく、ごく普通の和食です。この食事が栄養面でも子どもにとってどれだけ大事なのかは、明日の保護者講演会でしっかりとお話してもらえるはずですし、来ることのできなかった方には何らかの方法でお伝えしようと思いますので、ここでは省略します。そして伝えたいことがもう1つ。旬のものをしっかりと味わうことです。旬のものとはその時期にその土地で採れるもの。講演会の講師がよく話されることに「foodは風土」という言葉があります。食はその土地のものを食べることがまず基本だという意味で、旬のものも当然そこに含まれます。一般的な伝統とは少し意味が違いますが、地域の伝統的な味を考えたとき、その土地のものや旬のものは欠かせないはずです。先日はたくさん頂いたワラビを昼食で味わいました。タケノコの皮むきも経験してもらい、タケノコごはんにして食べました。畑では季節の野菜を収穫できるよう、計画が進められています。その時期に採れるものに関心を向け、食べるだけでなく収穫や下ごしらえなどの「触れる」ことも大切にしていきたいと思います。そうした体験の積み重ねによって、子どもたちの食の基礎を作っていきたいと思っています。
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