「子どもが育つ魔法の言葉」(ドロシー・ロー・ノルト著)という本に「子どもは大人(親)の鏡」という18の言葉が書かれています。『子どもは、批判されて育つと人を責めることを学ぶ』『子どもは、憎しみの中で育つと人と争うことを学ぶ』といった言葉で、ずいぶん前に紹介したこともありますが、聞いたことのある方も多いんじゃないでしょうか。これらは思い出すことの多い言葉で、保育園のあり方を考えるときにも忘れてはいけないことだと思っています。
ある研修会に参加したときのことですが、その研修は保育者チームのあり方がテーマでした。みなさんもご存じの通り、保育というのは1人でするのはなく複数の保育者がチームを組んで行うものです。単純に人手という数のこともありますが、子どもの育ちを多面的に見るためにいろんな目が必要とか、様々なタイプの人がいることを知り社会を学ぶためという意味もあります。子育ても親だけがするものではなく、多くの大人が関わって行うものなので、その意味では一緒ですね。
では保育者チームはどんなあり方がいいのかを考えてみます。例えば私たちは、子どもたちが「自分で考え、自分で行動する」「互いの個性を認め合う」「自分の強みを発揮することで他者や集団に貢献する」ための力をつけることを目指して保育を行っています。これを上で書いた「子どもは大人の鏡」理論から考えると、保育者集団がトップダウンでしか動けなかったり、互いの個性を認めることができない集団であったりした場合、それを見ている子どもたちに「自分で考え、自分で行動する」「互いの個性を認め合う」といった力がつくでしょうか?おそらく無理ですよね。そんな視点から考えていくと、大人に変わる余地があるということは、子どもたちの姿もまだまだ変わる余地はあるとも言えます。チームとして課題があるということは、もちろん良くない面はあるけれど、決して悪いことばかりではないとも言えるんじゃないかと思っています。
よく分からないことを書いていると思われるかもしれませんが、研修での話を聞きながら、あさり保育園のチームのあり方について見直す必要があることを感じ、同時にまだまだ保育の内容をいいものにしていく余地はあるとも感じたということが言いたかったわけです。まだまだであることをこんなに堂々と書いていていいんだろうか?とも思いますが、まだまだな部分が多いからこそ変わっていこうとする状態を保護者のみなさんに見守ってもらえていると感じられているので、こうして素直に書くことができています。みなさんに感謝しています。
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