先週の金曜日に配布したものを最後に「園長のひとりごと」は終わりにしますとお知らせをしました。2007年7月に書き始めたときは、ちょうど保育の変革の時期で、保護者に対して園の考えを発信する必要性が通常よりも高い時期でした。「なぜ保育を変えるのか、その理由は…」「なぜこのような保育に変えるのか、その理由は…」そんなことを少しでも理解してもらいたい、その一心で書き続け、配布し続けました。続けているうちに違う思いも出てきました。園で行っていること、子どもたちが見せている姿、その意味を言葉にすることも私たちの役目だと認識していたんですが、それが結構難しいんです。園で取り組んでいることを「子どもたちのために○○をする」ではなく「こういう力をつけるために○○をする」と、子どもたちが見せている姿を「大きくなった」ではなく「こんな力をつけてきた」と、より具体的に、しかも保育関係者以外でも理解しやすい言葉で発信する必要があります。どこまでできるか分からないけど、それをしていくのが自分の仕事だと考え、拙いながらも言葉を探しながら文章を作ってきました。
それを辞めることにしたんですが、書きたいことがなくなったわけではありません。保護者が園の考えをかなり深く理解してくれている現状、保育の場で起きていることや子どもの姿について、その意味も含めて保育者がしっかりと発信してくれるようになった現状を考えると、自分が発信し続けなくてもいい段階がきたんじゃないかと判断したわけです。でも、書き続けてきたことが自分の学びになっていたこと、書くことで頭の中が整理されてきたのも事実です。ですから、印刷して園の保護者に直接配布することは辞めますが、ネット上では細々と続けていくことにしました。直接保護者に届けることを目的としていたのが今までですが、これからはちょっと力を抜いて、しかも字数もあまり気にせずに長かったり短かったりしながら、できるだけ素直に思ったことを書いていこうかと。
ということで、今考えていることの一部を紹介します。いっぱいある中の一部の、さらにその触りの部分のみですが。
①園庭遊具の無彩色化
園庭遊具で大事なのは色なのか、機能なのか。色がなければ遊具で遊ぶ意欲は生まれにくいのか。園庭に必要な色は何か。私たちの園の様な自然に囲まれた環境では遊具の色をどうとらえるのか。そんなことを考えていて、遊具は機能が大事、園庭ではまず自然の色を生かすことが大事ということで、無彩色というものを取り入れてみることを検討しています。無彩色(achromatic color)とは、白・灰・黒などの色みのない色のこと。無彩色の遊具が置かれた風景をまだ想像できていませんが、どうなるか楽しみです。
②文脈棚の意味合いを強めた絵本ゾーンへ
本を著者別や分野別でなく「意味」でつなげて並べてある棚を文脈棚と呼ぶことを知りました。そういえば文脈棚で展示している本屋を時々見かけます。ビールの棚を作り、ビールとタイトルが付いている書籍、例えばグルメ本、小説、ビールが取り上げられているマンガの8巻だけなどを揃えているところもあるようです。こども園の絵本棚にも文脈棚はあり、今なら夏に関する本を集めた棚、虫に興味を持ち始める時期なので虫関連の棚などがそうです。子どもの興味の広げ方を考えると、ある1つのこと中心に関連のあるものに興味を広げていくことが多いように思います。なので興味関心を広げやすいように文脈棚をもっと積極的に取り入れてはどうか、そんなことを考えています。どこから手をつけ始めるかはこれからのお楽しみということで。
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