鷲田清一さんが、建築家の安藤忠雄さんの言葉を紹介されていました。
今の子供たちの最大の不幸は、日常に自分たちの意思で何かが出来る、余白の時間と場所を持てないことだ。安藤忠雄
自立心を育もうと言いながら、大人たちは保護という名目で、危なそうなものを駆除して回る。そのことで子供たちは緊張感も工夫の喜びも経験できなくなった。安全と経済一辺倒の戦後社会が、子供たちから自己育成と自己管理の機会、つまりは「放課後」と「空き地」を奪ってきたと、建築家は憂う。著書「建築家 安藤忠雄」から。(鷲田清一)
自立とは、何でも自分でできるようになることではありません。自分でできることは自分でする、自分だけではできないことは人に助けを求めることができる、これが自立です。そのためには自分でできることを知る必要がありますし、できないときは他者に助けを求め、ちゃんと助けてもらう経験を、生活や遊びの中で積み重ねていくことが大事です。そのためには自分の意思で行動することや、集団の中で様々な関わりを経験することが必要です。あさりこども園の子どもたちは、自分たちの意思で様々な選択をし、失敗の可能性が常にある緊張感の中で、それを楽しみながら創意工夫をして遊んでいます。そのように活動してくれることを願い、そのための環境を用意しているので当たり前かもしれませんが、自分たちの意思で○○を選ぶといった場面は、こども園の生活のあちこちにあります。その中で、自分でできることは何か、助けを必要とすることは何かをしっかりと学んでくれています。
自分の意思で行動を決定し、失敗も経験しながらできることを増やしていくこと(自己育成)。自分でできることは自分で、自分だけではできないことは人に助けを求めることができる(自己管理)。昔は当たり前にあったこのような機会を、意識して作っていかないといけないのが今の時代、これからの時代なんでしょうね。
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