運動会の予行練習をしているときのことです。ある子が空を見て「あっ、オロチの雲だ!」と叫びました。そばにいた他の子も「どの雲?あーーほんとだ!」「オロチだ!」と喜んでいます。写真がその時の空です。私も結構がんばって探してみたのですが、結局オロチは見えませんでした。子どもってすごいですね。自分の持っているイメージを自由に外の世界にも見ることができるのは、発想が自由で豊かな証拠だと思います。自分も子どもの頃はそんな風に周りのモノを見ていたはずなのに、いつの間にか出来なくなってしまっているなあと考えさせられました。大人の見方と子どもの見方、大人の世界と子どもの世界は決定的に違っていて、そのことを忘れて子どものことを考えている限り、理解できないことは多いんだろうともあらためて思わされた瞬間でした。
そんな姿を見ながらの予行練習だったからか、子どもたちは運動会のことだけを考えて活動していたのではないんだろうと感じた時間でもありました。もちろん当日のことを考えながらやっていた子もいたでしょう。他の子の様子を見ながら「よし、自分も!」と張り切って取り組んだ子ももちろんいたはずです。でも子どもたちの体験は全て運動会のためにあったわけではなく、そのときの雲にオロチを見て楽しんでいた子がいたり、友だちとの会話や関わりを楽しんでいたりと、運動会という活動を通して様々な学びにつながる体験をしていたはずです。そう考えると運動会の練習も、運動会当日の活動も、全てが日常の保育と無関係ではなく、つながっていることが大事だと再確認できました。
あさり保育園の運動会の目的の1つは「保育を厚くする」です。運動会が盛り上がればそれでいいというのではなく、そこまでの活動もわくわく感があり、普段の保育とつながった運動会であることを大事に活動してきました。世界をテーマとし、世界の国々をつないで聖火を運んでくることを目指した最初のリレーなんかもそうです。当日までにどれだけ期待感を持って活動してきたか、その活動と日々の生活がどうつながっているのか等を想像しながら運動会を見てもらうと、より楽しく見てもらえるんじゃないかと思っています。
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