2013年3月26日

慣らし保育について

子どもが成長するというのは自分の世界を広げていくことでもあると思います。では世界を広げていくためにはどうすればいいかというと、やはり自分でいろんな体験をするのが一番です。物の性質を知っていくとか、ここは危ない場所だとか、1つ1つ自分で体験し学んでいくわけです。

そのためには安心できる拠点が必要になります。それは親であることが基本なのですが、その親と依存関係にあると今度は離れることが難しくなります。親が子どもにとっての安心の拠点となり、そのことでそこを基点として子どもは少しずつ世界を広げていくことができる。そんな関係が大事だと思います。

ではそんな関係になるためにはどうすればいいか。子どもが困った時にはいつでも助けてあげる、子どもが負の状態に陥ったときにいつでもそこから立ち直るために手を貸してくれる、そんな安心感を与える関わりが大事なんじゃないかと思います。

子どもが求めてきたときには必ず応えてあげる、子どもが体験していることの楽しさを分かってほしいと思ったときにはいつでもそれに共感してあげる、そんな関わりを続けていくことが大事なんだと思います。子どもが求めたときに応えてあげることによって、安心してまた次の活動に没頭し、世界を広げていくわけです。

また、自分で体験することだけで周りの環境を理解していくとしたら、とてつもなく時間がかかってしまいます。そんなとき子どもは素晴らしい力を発揮します。自分が一番信頼・信用している人、多くは親であったりするのですが、その環境に対して安心しているかどうかの顔色を見るということをします。そしてその人が安心していると「あっ、安心していいんだ」と判断する、そんな力を持っているそうです。

例えば大人の例でいうと、飛行機に乗っていて揺れたとき、私たちは「この飛行機、大丈夫か?」と思いますよね。そんなときは一番信頼している客室乗務員の顔を見ます。その客室乗務員が落ち着いていたら「大丈夫なんだ」と思うようになります。もし慌てた表情をしていたら、こちらも慌ててしまいます。

というように、自分の体験が少ないときは自分が信頼している体験の多い人の顔を見て、それによって自分も落ち着くべきか、気をつけるべきかの判断します。子どもってすごいですね。で、ここで大事なのは、まずは子どもと同じものを見ていないといけないということです。そしてそれがどうかというものか、どういう環境かを知っていないといけないわけです。

保育園の慣らし保育なんかは長めに期間を設けて行ってもらい、子ども自身が新しい環境を徐々に体験しながら「安心できる場所なんだ」と学んでもらった方がいいのですが、仕事の関係上なかなか長い期間は難しいというケースは多くなっています。

なので短い期間しかできないという場合には親と一緒に保育園に来てもらい、とにかく親が園の中でリラックスしてもらえるようにし、その姿を子どもが見て「ここは安心できる場なんだ」と感じてもらおうという考えで、あさり保育園では短めの慣らし保育も取り入れています。実際に子どもは早く落ち着くようになってます。

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