『春苦味 夏は酢の物 秋辛味 冬は油と合点して食え』 これは明治時代の食養研究家の石塚左玄氏の言葉です。この言葉は保育園で貸し出しを始めた「自然流育児のすすめ」という本に書かれていて、私はそこで初めて知りました。意味は書かれている通りです。「春は苦味」→フキノトウや菜の花などの野草や山菜などのアクのあるものは、冬にたまった脂肪分を排泄してくれます。「夏は酢の物」→食欲が下がる夏はさっぱり酢の物。きゅうりやトマト、茄子などの野菜は体を冷やしてくれます。「秋の辛味」→夏の間に消耗した体力を補うための食欲増進をしてくれる辛味。ピリッと辛い大根おろしなどです。「冬は油」→寒さ予防に脂肪分を取って抵抗力を養います。要は、その季節ならではのものをその季節に食べる、食事とは本来そういうものだというわけです。
今月の2日の保育園の昼食では、タケノコごはん、若竹汁と、タケノコをたくさん食べました。タケノコの旬ということで、せっかくなのでみんなで皮むきをし、タケノコづくしのメニューにしようと調理担当者が考えてくれました。このような食事は、栄養素を一番に考えることからはなかなか出てこない食事だと思っています。様々な栄養を食事によって摂取するのが大切だということに異論はありません。でも、たんぱく質が○グラム、脂質が○グラム…といったように、数字合わせのメニューだけでいいかというと、やはりそのことには違和感を覚えてしまいます。その季節にとれるものを食べることは、上で書いたように人間にとって意味のあることです。「フードは風土」という言葉もあるように、その土地でとれたものがその土地の食事を決めるという考え方も同じような意味だと思います。子どもたちの体のことを考え、この地域の特色を生かし、季節の恵みを感じながら、そして楽しさを感じることのできる食事の場作りをいつも考えています。
あさり保育園の食事は、ごはんと味噌汁、そこに副菜という形が基本で、フードは風土の考え方を基本としています。今問題になっている肥満や成人病の低年齢化は、この糖分や脂質の摂り過ぎが主な原因と言われていますが、ごはんと味噌汁に合う副菜は糖分や脂質は自然と少なくなります。旬のもの、畑でとれたものは、その場で調理をしたりしてしっかりといただいています。行事のときは「ハレの日メニュー」として、特別な料理も登場してメリハリをつけています。食事のことはいくら考えても尽きることはありませんね。
今回紹介したのはこの本。
「自然流育児のすすめ」
この他にオススメしたい本は
「良いおっぱい 悪いおっぱい」
「子どもはなぜ、ピーマンが嫌いなのか?」
「人間は脳で食べている」
ちなみに読む順番のオススメは次の通りです。
①『卒乳』
↓
②『離乳食』
↓
③『良いおっぱい悪いおっぱい』
↓
④『子どもはなぜ、ピーマンが嫌いなのか?』
↓
⑤『人間は脳で食べている』
↓
⑥『自然流育児のすすめ』
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