2013年5月30日

No.297 リズムを共有すること

先週末、福岡で行われた「日本赤ちゃん学会学術集会」に参加してきました。あさり保育園とさくら保育園の取り組みを発表するためです。発表してくれたのは主任のMさん。大学教授や企業の研究員、医師たちがたくさんいる前で堂々と発表してくれました。みなさんにも見せてあげたかったくらいです。

発表のテーマは「保育所における乳幼児の関わり」。乳幼児、特に乳児は母子関係の大切さばかり取り上げられる傾向にありますが、私たちは実際に子どもたちを見ていて、母子関係が特別であり大切なのは間違いないことだけど、決してそれだけではないことを感じています。父親もそうですし、おじいちゃんおばあちゃんの関わりも、それから地域のたくさんの人との関わりも、子どもの成長には大事なことです。ちょっと意地悪く解釈すれば、母親1人に子どもを育てる責任があるとも受け取れてしまう、そんな意見に出会うことも少なくありません。でも決してそんなことはないですよね。今まさに子育て中の保護者のみなさんは、同じように感じておられるんじゃないでしょうか。

で、今回はその様々な人との関わりの中でも、特に子ども同士の関わりの重要性について主張してきました。言葉によるコミュニケーションができるようになる前には非言語のコミュニケーションが行われます。非言語のコミュニケーションを十分に体験し、それが言語によるコミュニケーションへとつながっていくという考えです。その非言語によるコミュニケーションは、身振り手振りだけでなく、「リズム」によっても行われているのではないかということを発表してきたわけです。
(ややこしくてよく分からない話ですね。すみません。)

ある子が積木で机を叩いてカン!カン!カン!…と音を出していると、それを聞いた別の子も積木を持ってやって来て、一緒になってリズムを合わせてカン!カン!カン!…というのはよく見られる光景です。他者が出したリズムに合わせることでそのリズムを共有し、それが他者との共感につながり、やがて他者と心が響き合う共鳴へとつながっていきます。こうしたリズムのやり取りは乳児でも日常的に行っています。○歳になったらできるというものではなく、年齢に関係なく他者のリズムを聞くことができる環境があるかどうかが重要なんです。だからこそ子ども同士で関わることのできる環境は赤ちゃんの頃から大事なんですよと、これからもしっかりアピールしていくつもりです。

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