少し前のことですが、「生きることは、分かち合うこと」をコンセプトにしているお店で食事をしました。美味しさも楽しさもシェアすることで喜びは倍になる!という考え方のようで、テーブル越しの会話や出会ったばかりの隣席の人との共用が楽しめるようにロングテーブルが設置されたりしていました。こうした楽しさは確かにありますよね。私は他のお客さんがほとんどいない時に1人で食べに行ってしまったので、喜びが倍にはなりませんでしたが。
「持ってないやつが隣にいたら可哀想だし、一緒に分かち合いたいし。だからフィリックスのガムも、パピコも半分に割れるようになってんだ、あげられるように。一人で楽しむんじゃなく、友達を作るためなんだ」。これは真木蔵人さんの著書『BLACK BOOK 蔵人独白』に書かれている文章です(高橋源一郎さんの『国民のコトバ』という本で知りました)。上の「生きることは、分かち合うこと」にも共感しましたが、共感の度合いはこちらの方が遙かに上です。フィリックスのガムは1人で食べると口の中がちょっといっぱいになる。パピコは1人で食べようとすると、1本目を食べている間に2本目は溶けてしまうし、そうなると吸い口も切り取りにくくなる。誰かと一緒に食べると考えると、これらの悩みは一発で解決。なんてよく考えられた商品なんでしょう!確かダブルソーダバーというアイスも2つに割って食べるタイプでした。そうやって周りを見てみると、こうした商品は結構ありますね。
とってもおかしな話になっていますが、みんなで分け合ってとか、誰かにあげるとか、そうした光景は保育園でよく見られるんですよね。畑できゅうりやトマトがたくさん採れると、「欲しい人いませんか〜」と配って回ってくれる子がいます。その声を聞いて他の子どもたちはワーッと集まってきてみんなで食べます。ブルーベリーがたくさん採れたときなんかは、トロッコに乗って園庭をグルグル回りながら欲しい子に分けてあげていました。こっそり1人で食べてしまうことももちろんありますが、誰かと美味しさや楽しさを共有することが多いですね。
1人で食べても美味しいけど、みんなで分け合うともっと美味しい。食べ物を通じて友だちとの関わりが生まれ、それがその他の生活に影響してくる。保育園にはこんなことがたくさんあります。ついつい当たり前のことと思ってしまいますが、実はとても大切で、とても貴重なことなんですよね。
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