2015年1月23日

No.379 振り返りのチェックシート

木曜日と金曜日の2日間、宮城県石巻市の託児所「結のいえ」の園長先生が見学に来られました。「結のいえ」は2011年の震災以後、夏祭りのバザーの収益を寄付させてもらっているところです。「結のいえ」の方々と日常的に話し合うことはもちろんできませんが、それでも一緒に保育のあり方を考えていきたいと思っていて、今回は見学の希望があったため喜んで受け入れをさせてもらいました。その園長先生にあさり保育園の保育について説明をするためにいろんな資料も見ていただいたのですが、保護者のみなさんにも伝えたいと思うことがいくつかあったので紹介させてもらいます。

ここで紹介させてもらうのは、私たち保育者が保育を振り返るために使うチェックシートの項目の一部です。例えば食事の時の子どもの姿について振り返る箇所には、こんな項目があります。

『みんなと食べるなかで、意欲をもって自ら食べようとしていますか』

食に関しては、例えば残さず食べるとか、バランスよく食べるとか、いろんな目標があり得ると思いますが、私たちがまず大事にしてしているのは「食べる意欲」です。

また、休息についてはこんな項目があります。

『自分の体について考え、自分で寝ようとしていますか』

何時から何時までは寝る時間だから寝るとか、○歳までは昼寝をしなければいけないとか、そういうことではなく、最終的には自分で休息の必要性を判断して行動できるようになってほしいと考えていて、そのために昼寝をするかどうか選択できるようにしたりしているわけです(条件付きではありますが)。

また、

『あそんでいる時間でも、休息をすることができる空間が用意されていますか』

という項目もありますが、これも思いは同じで「主体的な休息」を目指しています。

そして保育室(園庭を含む)の環境についてはこんな項目があります。

『社会の一員であるという意識が育っていますか』

これはなかなか難しいところではありますが、保育園の生活の中心は遊びであり、その中で様々なことを学んでほしいと考えています。その1つが社会の一員であるという意識です。他の子の楽しさに共感したり、他の子に力を貸してあげることで貢献したり、そういった体験はとても大切です。

そしてこれは今後の課題でもあるのですが、

『子どもの取り組みのなかから、探求心が生まれたり、論理的に物事を考えたりする場面が見られますか』
という項目なんかもあります。これは、「科学する目」を養うことができているか、と言い換えることもできますね。乳幼児の科学の重要性は別の機会に書くことにします。

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