2015年3月5日

No.385 IQよりEQ




いよいよ成長展の日がやってきました。子どもたちの成長を様々な角度からたっぷりと見ていただきたい!という思いを込めた行事です。この1年間でどんな力をどのようにつけてきたのかを見て感じてもらうためにはどうすればいいか、ギリギリまであーでもないこーでもないと悩みながら準備をすることになると思います。年度末の忙しい時期の開催ではありますが、そんな成長展をお子さんとゆっくり楽しんでいただきたいと思います。

“子どもたちの成長”と書きましたが、その成長もいろいろです。目に見える身長や体重の変化、できるようになったことなどは比較的わかりやすいのですが、目には見えず数値化するのも難しい成長は、なかなか掴むことができないものです。例えば人間関係の成長は交友関係などからある程度は推測できるかもしれませんが、でもそれが成長の全てではありません。あさり保育園で大事にしている子どもの「見る」という行為なんかは、直接的な関わりではないですが、子どもにとっての刺激はとても大きいと考えています。この「見る」が充実することなんかも、広い意味で人間関係の成長と言えますよね。目に見える成長はもちろん、目には見えにくい成長に対してももっといろんな角度から注目していく必要があるんじゃないかと思っています。



少し話は逸れますが、乳幼児期の教育の重要性がいろんなところで叫ばれるようになてきて、特に重視されるべきなのは「文字や数を教え込んで認知能力をつけること」ではなく、「高い関心や意欲、誘惑に勝つ自制心、困難にぶつかった時の粘り強さといった非認知能力をつけること」だと言われています。乳幼児期はIQ(知能指数)よりEQ(心の知性)の方が大事だという言い方もあったりします。ではその力をどうやって保育園の中でつけていくかという話になりますが、例えば「なかよしテーブル」で話し合う中で相手の気持ちに気づく(対人スキル)体験や、ぞう組が行っている「お手伝い保育」などで自分がどう思ったか、どんなことを考えたかを振り返る(内的スキル)体験などは、まさに非認知能力をつけるための大切な機会となります。この非認知能力は目には見えにくいため、「はい、これが非認知能力です!」と分かりやすい形で伝えることは難しいのですが、体験の意味についてはいろんな場で工夫しながら紹介していくつもりです。認知能力より非認知能力。IQよりEQ。こんなことを頭に思い浮かべながら成長展を楽しんでもらうものいいかもしれません。

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