2017年9月1日

No.508 我慢する力

子どもたちが自分たちで考えて行動することを大事にしていますが、そのために子どもたちにつけてもらいたい力があります。その代表的なものが「我慢する力」だと考えています。例えばブランコを使いたい自分と友達の思いがぶつかったりします。その時にお互いが納得いくような落としどころを自分で見つけないといけません。まだまだ遊びたいなーと思っても、ごはんの時間になってしまったらその遊びを自分で切り上げなければいけません。自分の思いだけを貫き通そうとするのではなく、友達のことや場の状況に合わせて「我慢する」ことも必要です。

この「我慢」ですが、一般的には「やりたいことを諦めること」と思われているかもしれませんが、子どもたちにつけてもらいたいのは「違う方法を考える」意味の我慢です。やりたいことが友達とかぶってしまったから自分は違うやりたいことを見つけるとか、友達に諦めてもらうための方法を考えるとか、遊びを切り上げないといけないからいやだなーと感じている気持ちを「今日のごはんは何だろう?」と食事に興味を移していく方法とか。今の自分の感情をコントロールし、別の選択肢を探していく「我慢」ができるようになると、大人の介入がなくても自分たちだけで充分に場を動かしていくことができます。あさりこども園の生活の中で、その力をつけていくための体験を積み重ねてほしいと思っています。

そんなことを考えているときに、興味深いツイートに出会いました。小学3年生の長女と小学1年生の次女のやりとりを紹介したものです。



















純粋にすごいなーと思いましたし、こうやって自分の思いを言葉にすることが苦手な子に対して一緒に考えてあげる存在があれば自分の思いや感情を客観視しやすくなるだろうなあとも思いました。自分を客観視することは、自分の感情をコントロールするためには欠かせないことです。客観視できるからこそ自分の思いに気づくことができ、思いに気づけるからこそ感情をコントロールでき、コントロールできるから別の選択肢を見つけることもできる、つまり我慢ができるというわけです。だとすると、自分の気持ちに気づくのが得意でない子に対しては、保育者や周りの友達がこのツイートの長女のような役割を担ったりすることで、あさりこども園での子どもの育ちはずいぶん変わってくるんだろうなあと、そんなことを思っています。もしかするとそんなことは既に当然のように行われているかもしれませんが、時々その意味の確認をするのも大事なことだと思います。

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