2011年8月11日

No.206 スイカ割りの様子を見ていて

今日は遊戯室でスイカ割りが行われていました。まず最初はクイズです。4人の職員のうち、1人がスイカ、残りの3人はボール、風船、人形をおなかの中に隠しています。誰がスイカを持っているかを当てるゲームです。そのクイズをした後、「スイカを割る」を選択した子と「応援する」を選択した子にわかれてスイカ割りが進んでいく予定でした。

進んでいくうちにこんなことが起こりました。クイズで見事正解したのはぞう組のAくんときりん組のSちゃんの2人。その正解した2人が一番最初にスイカ割りをしたらどうかと、ぞう組のKくんが提案してくれたのです。こうした子どもからの提案が飛び出したとき、どうしても無理なことでなければ積極的に取り入れることにしています。今日もほんの少しだけ流れを変えてKくんの提案通り正解者2名から挑戦してもらうことになりました。このこと自体は特別なことではないのですが、子どもたちの提案を大切にする姿勢を示し続けることは、子どもたちにとってはとても大事なことだと考えています。

子どもたちはいつもいつも前後の流れを十分に理解して提案してくれるわけではありません。とっさの思いつきで提案することはよくあります。もしその場にそぐわないような提案だった場合は、「その考えはおもしろいね。でも今は○○だから今度やってみようか。」といった風にその提案が適当な場を示してあげることも保育者の役割だったりします。大事なのは子どもの発言に対して大人が有用性やおもしろさを感じ、すぐに反応してあげることだと思っています。

大人は子どもたちに対して「自分の考えをきちんと言える」ようになってほしいという願いを持っていると思います。それに対して子どもは自分の言葉をまだ十分に持ってはいません。自分の思いを伝えるのに適した言葉も今から少しずつ獲得していく段階です。獲得するといっても、教科書のようなものから学んでいくのではなく、大人や子ども同士の関わりの中で、他者がどんなときにどんな言葉を使っているか、自分の言葉がどう受け止められたか、そんなことを通して少しずつ言葉を獲得していきます。自分の発言が価値のあるものとして受け入れられた、そんな体験を繰り返していくことが大事なんです。提案が受け入れられていくことは、主体的に活動に取り組むためにも、言葉を学んでいくためにも、自分の価値を知るということでも、とっても大事なことです。

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