2011年9月22日

No.212 共生、自尊心、つながりなど

運動会が無事に終わりました。夏祭りに続いて運動会でも「つながり」をテーマの1つにし、東北地方へ心を向けることを意識して取り組んできたわけです。3月からこのことばかり書いている気もしますが、繰り返し書いているのは何よりも震災のことを優先して考えなければいけないとか、そんな風に考えているわけではありません。ただ、今回の震災は私たちにとても大切なことを訴えかけていて、そのことには静かに丁寧に耳を傾けなければいけない、そう受け止めているからです。

例えば、自然を人間の都合のいいように利用するのではなく、私たちも自然の一部であり、自然と共生していくことを目指すべきだということを改めて教わりました。そのためにも、自然に対して深く関心をもち、その自然と共に楽しく遊ぶ体験は欠かせないとも思いますし、その体験から子どもたちが得るものは非常に大きいと思っています。「もくもくの日」の取り組みにはそんな思いも込められています。

また、この震災後に「リジリエンシー」という言葉を学びました。これは立ち直る力、回復力という意味で、船が傾いたりしたときにふっと戻ろうとする力のことを言ったりもします。このリジリエンシーという力について、子どもの行動からの研究も進んでいることを知りました。そこでわかってきたことの中には、くよくよしないなどの性格もあったりしますが、注目したいのは「自尊心が高いと立ち直りに結びつきやすい」「立ち直りには、家族、教師やきょうだいといった社会のサポートがどの程度得られるかにも影響される」ということです。子どもが困難な状況にありストレスがかかっているとき、自分の価値を信じることできる自尊感情、子どもの決断や上手くいかなくてもなんとか自分をコントロールしようとしている姿を評価してあげることが大切なようです。

震災は、自然との『共生』、困難から立ち直るために大切な『自尊心』、そして他者や社会との『つながり』など、大切な課題を与えてくれています。子どもたちがこれからの社会を力強く生きていくことを考えたとき、これらはもっと大切にされるべきことのはずです。次世代を担う子どもたちのために、私たち大人がそんな思いや姿勢を見せてあげたいと思っています。今、小さな小さな展示会を計画していますが、これもその取り組みの1つです。保護者のみなさんにぜひ見ていただきたい展示会です。

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