2014年8月21日

No.358 目的と方法6

前回書いたのが6月の初めだったので、2ヶ月以上も間が空いてしまいました。久しぶりに、あさり保育園の保育の目的と方法についての6番目の説明です。

6.子どもは、職員のチームによって、多様な社会とのかかわりを学習すること。

あさり保育園ではチーム保育という考え方を大事にしています。一人の保育者がずっと同じ子どもと関わるのではなく、複数の保育者がチームを組んで関わっています。保育園の生活は子ども同士の関わりだけでなく、大人と関わる中で社会に触れることも大切なところです。いろんな特性をもった人、いろんな役割を持った人で社会は成り立っています。自分の特徴を生かして社会に貢献していくあり方が成熟した社会の姿で、そのための基礎の力を培うのが保育園であるとすると、保育者がそれぞれに違ういろんな特性を発揮している姿を見せていくことには大きな意味があります。

よく例えに使うんですが、あさり保育園の保育者はみんなで歌を歌う際に様々な楽器を使います。ある人は得意のピアノで、またある人は得意のギターで、といった感じです。得意なことは人それぞれに違っているという当たり前のことや、音楽の楽しみ方も様々であることも感じてくれるはずです。チーム保育を行うことで、子どもには保育者の姿を見ながら違いを感じてもらいたいですし、保育者は一人ひとりが自分の得意なことを切り口にして保育をすることで、子どもたちに多様な体験を提案できるというわけです。保育園での多様な体験や多様な人との関わりを通して、自分は何ができるか、何が得意か、何をするのが好きかといったことを見つけてもらいたいと思います。

そして、チームで保育することで子どもの見方が多様になるメリットもあります。例えばこんな話があります。子どもを見る時、ある人は「この子は丸い形をしている」と言い、別の人は「この子は四角い形をしている」と言いました。さてこの子はどんな形をしているでしょうか?これは、子どもの形は円柱だったという話なのですが、どちらの見方が正しくて、どちらが間違っているということではなく、上から見た人の「丸い」という意見と、横から見た人の「四角い」という意見の両方があったからこそ、円柱であることに気づくことができたわけです。一人の子どもに対して様々な見方をしていくことで、その子を立体的に見ていくことができます。「この子にはこんなところがあるよ」「いや、こんな面もあったよ」と子どもの姿を共有し一人ひとりを丁寧に見て保育を行っていくことが、私たちがチーム保育を行っている大事な目的でもあります。

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