2011年7月1日

No.200 体験してつかんだことこそ

今週の火曜日からプールの活動が始まりました。もう何年も続けていますしお便りでもお知らせしているので、知っておられる方がほとんどだと思いますが、あらためてあさり保育所のプールの活動について説明させてもらいます。

ぞう・きりん・くま組のプール遊びは、まず『選ぶ』ことから始まります。「水遊びは大好きだけど、顔に水がかかるのはちょっと…」という“かにグループ”、「顔に水がかかってもいいけど、でも潜ったりするのは苦手」という“さかなグループ”、「しっかり泳いで遊びたい」という“いるかグループ”の3つのグループから、今日はどのグループでプールに入るかを選びます。子どもたちは自分で選ぶことによって、とても意欲的に活動に取り組みますし、意欲的に取り組むことで活動に対して自信を持ち、次の課題への挑戦意欲へとつながっているのが見て取れる、そんなプールの活動です。「自発的な活動によって自信を深める」ことが情緒の安定にはまず大切なことです。

さて、そんな火曜日のプールの活動でこんなことがありました。くま組のNちゃんは“いるかグループ”を選んでプールに入って遊んでいたのですが、ホースで頭から水をかけていた保育士に「顔にかかるのは嫌だからかけないで」と言いました。それに対して保育士が「でも“いるかグループ”はしっかり泳いで遊びたいグループだから顔にかかっても平気なはずだよ。それが嫌な人はどのグループに行けばよかったのかな?」と言うと、Nちゃんは「かにグループ」と言い、自分が満足して遊べるグループに気づいたようです。そして他の保育士にも「今度はかにグループで入るよ!」と伝えたりもしていて、木曜日のプール遊びでは宣言通り“かにグループ”でしっかりと楽しんでいました。

自分に合った活動ができるグループを自分に問いかけながら見つけていく中では、選択を間違ってしまったことをやってみて初めて気づくということは当然あります。大人が「あなたはこっち、あなたはあっち」と振り分けてしまえば選択を間違える可能性はずいぶん減るんでしょうが、でもこの間違いも子どもにとって大事な学びです。自分の責任で選択し、そこでうまくいった、うまくいかなかったを繰り返すことでつかんでいくものは、確実に子どもの力になっていきます。本から得たこと、人から聞いて得たことより、体験してつかんだことこそ理解が深まる、そんなことを考えさせてくれたNちゃんでした。

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