2014年9月11日

No.361 もくもくの日のこと




もくもくの日の活動が始まったのは2011年7月。あさり保育園の保育目標「自然に生かされる保育」を深めるため、そして子ども自らが興味・関心をもって取り組むことを更に促すために、園外の自然の中での活動をスタートさせました。ドイツの森の幼稚園や鳥取県智頭町の「まるたんぼう」という森の幼稚園の取り組みを参考にさせてもらい、試行錯誤しながら形を作り上げてきました。五感を使った体験が豊富にできる自然の素晴らしさを改めて感じましたし、そこで自発的に活動する子どもたちの姿を見て子どもの持っている力を再確認することができました。

そうやってスタートしたもくもくの日ですが、少しずつ活動が変わっていくことになります。森の幼稚園を参考にしてスタートしていたため「森の中」での活動が中心でした。でも、五感がより刺激され、多種多様な動植物に出会える森を目的とするのであれば、例えば三瓶山などの方が環境としての面白さは遙かに上だと思います。なんといってもアチラは国立公園ですしスケールが違います。それでも三瓶山を選ばず「浅利町にある」森に拘ったのは、江津市浅利町にある環境で楽しく遊ぶことを通して、自分はこの地域の一員なんだという所属感を持ってもらいたかったからです。所属感は情緒の安定には欠かせないもので、自発的な活動の支えになってくれる大切なものです。

そんな思いから地域での活動の意味について話し合いを重ねるにつれて、それまでは「森の中」での活動がほとんどだったのが、徐々に「町の中」での活動も加わり幅が広がっていきました。五感を使うことや自発的な活動を大切にすることは変わりませんが、浅利町にある仕事に触れることや生活している人と関わることを増やしていきました。社会には様々な人がいて、様々な仕事がある、そんなことを感じてもらいたいという思いからです。そして活動の変化に合わせるように、もくもくの日のことやその目的を理解してくださる地域の方が増えていくことになります。今では多くの人に協力してもらいながら、浅利町というエリアの中でおもしろい体験をたくさんさせてもらっています。

もくもくの日の変化について簡単に書いてきましたが、この春からまた少し違った視点で取り組みの整理を始めています。もくもくの日の活動は決して特別なものではなく、私たちが深めていきたい保育の1つの形に過ぎません。その意味を保護者のみなさんに分かりやすく示せるようにと準備を進めているところです。もうちょっと先のことになると思いますが、今から宣伝をしておきます。お楽しみに。



以前のもくもくの日の写真は下のリンク先で見ることができますよ。
もくもくギャラリー

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