2017年3月31日

No.488 明日から新年度

「『園長のひとりごと』に書く内容はいつ考えているんですか?」先日保護者のKさんから聞かれました。いつも読んでもらっているとのことで、まずそのことに恐縮してしまいました。配布しているわけなので、読んでもらうためのものであるのは間違いないのですが、実際にそのように声をかけられると「こんな文章ですみません」と慌ててしまいます。あさり保育園がどんな思いで保育を行っているか、そのことを言葉にしてできる限り深く知ってもらいたい。そんな思いで2007年7月から書き始めてもう少しで10年になるのですが、未だにそんな感じです。

ここに書く内容は、あさり保育園で起きたことだけでなく、参考にさせてもらっている考え方を紹介したりしています。それは保育に関することだけではありません。保育者は常に視野を広く保っておく必要があると考えているので、様々な分野で活躍されている方々の考えに触れるようにしていて、「あっ、この考えは保育に通じるところがある」と思ったら、そこから書く内容を考え始めたりします。常に子どもたちの興味深い様子や参考になる文章を探しているので、「いつでもどこでも書く内容を考えています」というのがKさんの質問に対する答えになります。

最近よく参考にさせてもらっているのは哲学者の鷲田清一さん。その鷲田さんがこんなことを書かれていました。『身体は自分そのものなのに、その大半は見えない。だからつねに不安を醸す。入浴が快いのも、子どもが狭苦しい空間を好むのも、それによって自分の輪郭と容量がくっきりしてくるから。』子どもは狭いところが好きで、楽しそうに遊んでいる姿はよく見られます。なのであさり保育園では敢えて狭い空間を用意したりしているのですが、そこで子どもたちは自分の身体を感じているという見方もできるんですね。布団に入ると心地いいのも同じ理屈なのかもしれません。

自分を感じる、認識することは、おそらく安心感につながることで、その安心感があるからこそ新しいことに挑戦して成長していくのが子どもたちです。これは保育園にも当てはまるじゃないかというのが私の考えです。身近な地域との関わりを持つことで保育園の持っているものが分かり、役割が明確になり、何をすべきかが見えてくる。そしてそこを出発点にすることでまだまだ成長していける、そんなことを考えています。H29年度のテーマは「地域」です。地域と園のあり方を模索する中で役割を明確にし、『認定こども園あさりこども園』をより良いものにしていきたいと思います。明日から新年度です。いろいろな変化を前向きに受け止めて進んでいきます。

2017年3月30日

2017/3/27【花の村で楽しむ】よしとの飛び出す紙芝居 -tukuru- in あさり保育園 レポート

子育て中の親子を対象とし、紙芝居ライブを行いました。来てくれたのはよしとさんです。

「枠を飛び出しみんなが1つになる紙芝居」の名の通り、参加者全員が1つになって盛り上がった楽しい紙芝居でした。どんな紙芝居だったか興味のある方は是非動画をご覧ください。



紙芝居を見ながら思ったことは、「大人のみを対象としても楽しめるんじゃないか?」ということ。ただ見るだけではなく、常にやり取りのある参加型の紙芝居なので、子どもとは違った盛り上がり方が見られるかもしれません。

今回の演目は

○まるさんかくしかく
○ニワトリの唄
○おめでとう
○はっぴーす
○しりとりりりり

と5つも見せてもらいましたが、まだまだ他の紙芝居もあるとのことです。
また来てもらわなければ!

2017年3月25日

ホームページが新しくなりました

2017年4月1日から認定こども園に変わります。
それに伴い、少し早いんですが、新しいHPに切り換えました。

あさりこども園→http://www.hana-mura.net/asari/

さくらこども園→http://www.hana-mura.net/sakura/

以前のHPは何の知識もないところから約4ヶ月かけて自分たちで作ったものでしたが、
今回のHPはデザイン会社のクラウドボックスさんに制作を依頼しました。
やはり専門の方に作っていただいたものは、素人が作るものとは違いますね。
当たり前ですが。
素材の提出が遅れたりして迷惑をかけっぱなしでしたが、
それでもこうして予定通り仕上げていただいたことに感謝しています。
ここからスタートし、改良を重ねながら運用していく予定です。
どんな風に育っていくかもぜひ注目していてください。
よろしくお願いします。

2017年3月24日

No.487 活動の範囲を広げていくこと

ずいぶん前のことですが、子どもたちの「事務室デビュー」について書いたことがあります。事務室デビューとは、私が勝手に名前をつけて1人で楽しんでいるものなのですが、移行が始まる頃、つまり1月あたりからぱんだ組の子が事務室をのぞきに来て、とても嬉しそうな表情で中にいる職員に向けて大きな声で話しかける、そんな行動のことをいいます。それまでは2歳児の部屋が主な生活スペースだったのが、今度は広いスペースで生活することになり、その近くにある事務室をよくのぞきに来るようになるだけのことなんですが、毎年見られる光景で、しかも新しい生活に慣れて環境に夢中になり始めるとその行動はあまり見られなくなるのがおもしろいところです。

子どもたちは成長していくにつれて活動の範囲を広げていきます。移行等で生活スペースが変わることや興味の対象が広がることがきっかけだったり、安心できる拠点を持つことで探索できる範囲を広げていくといったこともあります。このような姿は毎年同じように見ることができ、そのことでも成長を感じて嬉しくなります。その事務室デビューに似た行動で「玄関先デビュー」というものもあります(これも勝手に名付けているだけのものです)。玄関先デビューはうさぎ組の子の行動で、あちこち歩き回るようになると、それまでは保育士と一緒に玄関先に来ていたのが、段々子どもたちだけで集まるようになり、ただ集まっていただけだったのがその場で遊び始めたりする行動のことです。この姿は事務室デビューが見られる時期よりも少し早いので、玄関先デビューの様子を楽しみ、その後事務室デビューを楽しむというのが毎年の流れです。



先日も玄関先に遊びに来ているうさぎ組の子の姿がありました。その時はちょっとその場を散らかしてしまっていたので一緒に片付けをすることになったのですが、そうしたことも大事な学びの機会です。それぞれの場所にそれぞれのルールがあることを体験を通して学んでくれればいいと考えているので、「あ〜、やってしまったか〜」とは思いますが、そうした行動に対しても丁寧に関わっていきたいと思っています。

成長に伴って活動の範囲が広くなることは、新しいことと数多く出会うことでもあります。そこでは失敗することもあるでしょうが、そんなことを積み重ねて多くのことを学んでいくものです。新しい世界に向けて進んでいこうとしている子どもをしっかりと支える保育園であり続けたい、改めてそんなことを思いました。明日は卒園式です。

2017年3月17日

2017/3/16【花の村で楽しむ】ヨガ教室 in 合歓の郷 レポート

「身体の疲れをとりたい」「日々のストレスを和らげたい」「腰の調子が…」そんな方のためにヨガ教室を開催しました。
インストラクターはデイサービスセンター合歓の郷の看護師、橋目さんです。



橋目さんはマットサイエンスという資格を持っていて、今までもヨガの気持ち良さを伝えるために指導を行ってきた経験があります。

今回はデイサービスセンター合歓の郷の和室を使用し、アロマの香りとゆったりとした音楽の流れる中で教室がスタートしました。

初めにこの時期ならではの花粉症対策ヨガ。指で片方の鼻を押さえてゆっくりと呼吸をします。



ヨガの基本は呼吸。呼吸を意識しながら体を動かすことが大事です。
鼻でゆっくり呼吸をしながら脇腹を伸ばしたり、腰を伸ばしたり、股関節を柔らかくしたり。





お腹を引き締めたり、ヒップアップに効果のある動きもあったり。



体を伸ばすだけでなく、筋肉を刺激するものも。



17時30分の教室スタート時の参加者は3名でしたが、仕事を終えた人がだんだん集まってきて、最終的には9名に。
途中参加OK、途中退出OKというのがこのヨガ教室の特徴です。自分の仕事のペースに合わせて参加できます。ゆるやかに参加できるのはいいですね。

今から行う動きはどこを使うもので何に気をつけるのかを丁寧に教えてもらいながら進んでいくので、ヨガは初めてという方でも安心して楽しむことができます。インストラクターの存在は大きいです。

参加した人の声
・ヨガで全身がしっかりとほぐれたので、その後に参加したバレーではびっくりするくらい体が動いた。
・月に1回でも体をしっかり伸ばしたいと思っていたので、参加してよかった。リラックスできた。
・いつもバタバタ生活しているので、ゆっくりと呼吸を整える時間を持てたのはよかった。座り方のポイントなども知ることができ、普段の生活でも生かすことができるし、家族にも教えてあげることができた。
・終わったら肩甲骨のコリがとれていて、しかも体がポカポカしていい気持ちだった。


現在は花の村の職員の参加しか対象としていませんが、地域の方にも参加してもらえる形にしていきたいと考えています。無理をせず、自分のペースで体を動かしてリラックスすることのできるヨガ教室です。準備ができたらお知らせしますので、興味のある方はぜひご参加ください。

No.486 楽しい未来を想像する

来週の土曜日は卒園式。早いもので、ぞう組さんのあさり保育園での生活はあと少しとなりました。卒園式の流れを確認するための練習も始まり、いよいよかぁという思いが強くなってきています。こうした行事が区切りとなって、ぞう組さんは小学校へ向けての期待が高まり、ぞう組以外の子は次の新しい生活への期待が高まります。全ての子どもたちにとっていい区切りの行事となるよう、卒園式が近づく雰囲気を感じながら日々の生活を送ってほしいと思っています。

卒園式の中で、卒園児が将来の夢を発表する場があります。その発表を聞かせてもらったのですが、夢を語る子どもの姿はやっぱりいいですね。自分がなりたいものを思い浮かべ、それを言葉にしている様子を見ているだけで、がんばってほしいなあと素直にそう思います。思い通りにならないこともあるかもしれないし、苦しい思いをすることもあるかもしれません。そうだとしても、やっぱり子どもたちには希望を抱き続けてほしいと思います。

『絶望するのと同じ能力、その未来を想像するという能力があるから、人間は希望をもてる。』というのは、霊長類学者の松沢哲郎氏の言葉です。松沢さん曰く、チンパンジーは常に「今」の世界を生きているので先を想像して「どうなっていくんだろう」と心配し絶望したりすることはないそうです。それに対して人間は絶望することもあるけれど、そんな時でも未来を想像する力を発揮して希望を持って乗り越えることができるというわけです。絶望も希望も同じ力から生まれてくるというのはおもしろいですね。だとすれば、子どもたちとは希望を抱ける話を、物事の楽しさについての話をたくさんするべきだと思います。今後出会うであろう困難を話し、その困難に備えることを教えるよりも、まずは「こんなことをしてみたいね」「こうなったら楽しいだろうね」と楽しさを共有できるような話をたくさんして、楽しい未来を想像する力をとことん育んでいく方がよさそうです。

私たちが子どもたちに望むことは、生活の質を高めることでより楽しめるように、困難な状況でも希望を持ってしなやかに対応できるように、自分と反対の意見も認めて多様さを受け入れる強さを持てるように、そんな力や感性をより末永く持続させていけるように、といったことです。ちょっと欲張りすぎかもしれませんが、子どもたちの今後に対しては目一杯希望を持っていたいと思っています。そうやって希望を持つことで、子育てや保育がより楽しいものになっていくんでしょうね。

2017年3月15日

2017年3月

「謙虚さ」について考えさせられるニュースが多いです。なんとか学園の話などは特にそんなことを思ってしまいます。誰の言い分が正しいとか、何が間違っているとか、よく知らないのに勝手にアレコレ言うことはしませんが、謙虚であるかどうかは何となく伝わってきます。誰が何に対してどんな発言をしているのか、そんな記事を読んでいるだけでも感じるものはあります。私たちは「笑顔と聴くこと」というスローガンを掲げ、人と向き合う仕事をしています。謙虚さがなければ成り立たちません。しかも順風満帆な業界ではないため、状況の変化に対応する柔軟さが常に求められます。ますます謙虚でなければいけません。あまり気持ちのいいニュースではないとしても、見方によっては大切なことを教えてくれていると捉えることもできますね。

花の村スタッフから直接話を聞かせてもらってここで取り上げることを今回も行う予定にしていたのですが、スケジュール管理が上手くできず、話を聞くことすらできずに終わってしまいました。当たり前のことですが、自分の都合だけで仕事が進むわけではありません。向き合う利用者の変化に対応する必要もありますし、チームで仕事をしているので他の職員の仕事との兼ね合いもあります。それらを踏まえた上でのスケジュールでなければ、すぐに計画は狂ってしまいます。優先順位をつけること、状況に応じてサッと動きを変えられる柔軟さなどの積み重ねが大事だと、改めて考えさせられています。そんなことは当然考えてやっているという方は、ぜひそれを継続してください。できていなかったなと思う方は、少しでも状況を変えていけるよう一緒に試行錯誤をしていきましょう。

ここで1つお知らせを。2005年に立ち上げた花の村のホームページをリニューアルすることになりました。全くの手探り状態から始めて約4ヶ月かけて形を作り、その後はプロジェクトの取り組みとして「少しでも多くの人に花の村を知ってもらいたい」「見てもらうだけではなく、交流のできるホームページを目指したい」といった思いを持ち、毎年ページを増やし続けていったのが今のホームページです。情報量としてはかなりのものがあるのですが、パソコンよりもスマートフォンでホームページ等を見る人が急激に増えた今、そのスマートフォンに対応させたものに変える必要が出てきました。そんなわけで業者に依頼して新しく作り直してもらっています。まずあさり保育園、さくら保育園が4月から「認定こども園」に変わるため、同じタイミングで「あさりこども園」「さくらこども園」のホームページがオープンします。介護部門の方は少し遅れますが、各事業所の内容を整理して5月末にはオープンする予定です。少しでも多くの人に花の村がどんなところかを知ってもらうツールの1つとして、上手に活用していきましょう。もちろん新しいホームページもスタートさせたらそれで終わりではなく、少しずつ中身を充実させていきます。みなさんの思いも反映させていきたいので、そのための仕組み作りも今後進めていきます。まずは4月の新ホームページを楽しみにしていてください。

2017年3月10日

No.485 新しい関係の中で

個人的に興味を持つようになり、いつか行ってみたい国の1つであるキューバの話から。細かいことには触れませんが(間違いもあるかもしれません)、キューバは「国民1人に付き、1人の家庭医を作る」とスローガンを掲げ、日本とは比べものにならない数の家庭医がいる国です。家庭医は日本の医者とは違い、文字通り家庭をまるごと診る医者のこと。病気はもちろん様々な部位の問題ではありますが、家庭でどんな生活を送っているか、どんな関係性の中で生活をしているか、そこにも原因はあると考えて関係性や生活全体にも介入していくのが役割だそうです。すぐにピンとはこなかったのですが、よくよく考えていくと、○○が痛い、△△の調子が悪いというのは生活や関係性からきているものも確かにあるよなあと、私自身にも思い当たるところがあったりします。

もう1つ、「自我」の話を。自我とは文字通り自分のことですが、この自我の意識は他との関係性の中でしか発動しないものだそうです。自分というものは自分1人で成り立つものではなく、様々なものとセットになり、寄りかかっていなければ成り立たない。自分というものを認識し育てていくためには、他者との関係が非常に大事だということです。なかなかややこしい話ですが、これも分からなくはない話です。キューバの話、自我の話、どちらにも共通しているのは「関係性」が大事だということです。

あさり保育園で大事にしていることも、この「関係性」です。私たちの行っている保育、さらに深めていきたいと考えている保育は、『子ども同士の関係性を作る』保育といってもいいかもしれません。大人が「困った時にはいつでも助けてあげる」という安全基地となり、その安心感を元に自ら活動し、子ども同士の様々な関係性の中で刺激しあって発達を遂げていく流れを保育園の中で作っていくために、試行錯誤しています。私たちは周りの人から様々な影響を受けています。一緒に活動する人が変わっただけで考え方に変化が生まれます。人は変わらず同じ関係の中であっても、自分の立ち位置や役割が変わっただけで視点が大きく変わったりします。4月に小学生になる年長児は全く新しい関係の中で生活することになりますし、年長児以外の子も新入児を迎えて新たな関係が始まります。また、今までは刺激を受けることが多かった子が、今度は与える側に回るなど、役割も変化してきます。常に変化する子ども同士の関係をより多様にすることが役割の保育者も、4月から新たなチームとなって動き出します。多様な関係性の中で少しでも多くの刺激が受けられるような、できるだけ“ごきげん”に活動できるような、そんな保育を目指し続けることは『あさりこども園』になっても変わりません。保護者のみなさんとの関係も当然重要です。今後も引き続きご協力をお願いします。

2017年3月7日

2017/3/6【花の村で学ぶ】前髪の切り方講座 in あさり保育園 レポート




「子どもの前髪を切りたいけど、上手くいかない…」「上手く切るコツを知りたい!」そんな悩みを持つ親は多いはず!
ということで、「HAIR&BODY 心 くくる」の石田さんに来ていただき、前髪を切るときのコツを教えていただきました。

最初に石田さんが「お子さんの前髪を切る際に『こんなことがうまくいかない』ということがあれば教えてください」と参加者に質問され、参加者から「切りすぎてしまう」「真っ直ぐ切れない」「ガタガタになる」「切ったぞ!という感じになってしまう」といった声が出て、それらの悩みに答える形で石田さんの話が進んでいきました。


・最初から攻めすぎず、ちょっと長めに切ってあげる。
・お風呂で切ると髪の毛は水分を含んで重くなっているので、その時はちょうどいい長さにしたつもりでも、乾いたら浮いて短くなってしまう。
・修正、修正、を繰り返していると短くなってしまう。
・髪の毛を引っ張って切らない。
・ハサミをいろんなところから入れるとガタガタになってしまう。
・ラインが強く出てしまう場合はハサミを縦に入れる。
・すきばさみを使う場合は根元からハサミを入れすぎない。


この他にもアドバイスはたくさんありましたし、間違って覚えてしまっているところもあるかもしれませんが、実際に切る様子を見せてくれながらの具体的なアドバイスは、とてもわかりやすかったです。




そして講座の最後に石田さんが話されたことが、強く印象に残っています。


・テクニックをたくさん伝えたが、これらのテクニックを使うことを目的にはしてほしくない。
・これらは全て大人の都合、大人の思い。子どもが自ら望んでいることではない。
・1回のカットで仕上げようとするのではなく、3日に分けて仕上げるくらいのゆったりとした構え方も必要。
・髪の毛を切ったり結んだりすることが楽しいことだと、まずは大人が実践して伝えてほしい。
・大人自身がヘアースタイルと楽しみ、それを子どもにも伝え、子どもが切ったときには「かっこよくなったね」「かわいくなったね」とほめてあげてほしい。
・「伸びたから切る」ではなく、「かわいくなるために切る」「かっこよくなるために切る」になってほしい。
・そうしたことを「髪の毛を切るテクニックを生かす」土壌にしてほしい。


自分の生活の中で、無理はせず、自分のできる範囲で髪のことを楽しんでほしい。そしてその楽しさを子どもにも伝えてほしい。そんな石田さんの思いを聞いて、単に髪の切り方のことだけでなく、子どもとの関わり方全般に通じることだなあと、そんなことも思いました。
石田さん、ありがとうございました。


最後にちょっとした情報を。
子どもの前髪を切るときに使う「フェイスプロテクション」というものがあることも教えてもらいました。



切った髪の毛が顔につくのを嫌がる子、目の前でハサミがカシャカシャ動くのを怖がる子は少なくないそうです。そんなときにこのフェイスプロテクションをつけてあげるといいらしいとのこと。
石田さんからプレゼントしていただいたので、みなさんにもお譲りします。使ってみたい方は保育園のスタッフに声をかけてくださいね。数には限りがあるのでお早めに。

『花の村の教室』計画

社会福祉法人花の村では、『花の村の教室』をゆっくりとスタートさせることを計画しています。教室のテーマは「楽しく、多様であること」。この教室には2つの分類があって、1つは「花の村で学ぶ」、もう1つは「花の村で楽しむ」です。

それぞれの主旨は次の通り。


〇花の村で学ぶ
「学び」といえば、カタイ、ムズカシイ
そんなイメージを持ってしまうかもしれませんが、
本来学びは楽しいものであるはずです。
学ぶことによって生活が楽しくなったり、
新しい趣味ができたり、
もっと学びたいという思いが強くなったり。
そんな学びの場を皆さんと一緒に作り、
育てていきたいと考えています。


〇花の村で楽しむ
私たちの周りには、様々な楽しさを知ってる人がたくさんいます。
例えば、音楽の楽しさを知っている人、料理の楽しさを知っている人、
ヨガの楽しさを知っている人もいたりします。
そんな人達にその楽しさを披露してもらったり、
教えてもらったりしなければもったいない!ですよね。
せっかくなので、そんな様々な楽しさを
1人でも多くの人と共有する場を作ることにしました。


どちらの教室もテーマは様々、規模も様々、参加対象者も様々なものを作っていく予定です。どんな教室が登場するか、楽しみにしていてください。
「こんな教室を開催してみたい!」という意見も大歓迎です。

2017年3月3日

No.484 忙しい時期なので

『完璧主義をやめましょう』

これは“ストレスに強くなるために”と、社会福祉法人花の村(あさり保育園の運営母体です)の本部に最近貼られている標語です。「何事も完璧にやろうとしたら、落ち込むこと、不安になることが増えるばかりです。野球は3割で優秀なバッターです。失敗していいんです。気を楽にしていきましょう。」とも書かれています。仕事に限らず、子育てにおいても『完璧主義をやめましょう』は大事なことですよね。完璧にできればそれに超したことはないですが、思い通りにいかないことが多いのが子育てです。完璧な子育て、完璧な親にとらわれすぎてはいないか、余裕を持てているか、時々自分自身を振り返る必要があるなあと感じています。

無理やり野球つながりで話を広げると、子どもの知的好奇心を育てるために『子どもとの会話は「4打数1安打」で』という話もあります(コチラで紹介されています→http://otoyon.com/archives/2835)。東京大学名誉教授の汐見稔幸氏が、著書『本当は怖い小学一年生』の中で書かれていることです。

『子どもの知的体力(※知的好奇心のこと)を伸ばす会話について、もう少し続けよう。ここにはルールがある。まず、子どもの話を「聞く」「共感する」。そして一緒に「考える」。そしてあなたならきっとできると言って「励ます」。この四つをきちんと励行するのが重要だ。頭文字をとると、「KKKH」。これを野球風に解釈するとKは三振、Hはヒットだから「四打数一安打」というわけだ。』

野球ではスコアブックに試合の経過を記録します。三振をK、ヒットをHと記録するので、「KKKH」と記録してあったら、4回打席に立って、3回三振して、1回ヒットを打った、つまり4打数1安打ということになります。
そして

『会話のコツは、ふわっと受け止め吸収するスポンジの部分を増やすこと。それが四打数一安打のルールだ。』

とも書かれています。
会話にも余裕が必要だということですね。

どちらの話も、大人の強い思いを押し付けすぎないという共通点があるように思います。子どもはこうあってほしいとか、こんなことをしてあげたいとか、そんな大人の思いがつい強く出てしまうのも分かりますが、まずは子どもの思いに耳を傾ける、そんなちょっとした余裕を持って接することが子どもの成長を促し、そのことで大人もうれしいし楽しい、そういうことなんでしょう。分かっちゃいるけど…な話かもしれませんが、ゆっくり考えたいことですね。あれこれと忙しい時期なので、あえてこんなことを書いてみたくなりました。

さて3月は25日の卒園式、それが終わると認定こども園への移行が待っています。その前に来年度の職員体制の発表もあります。来週のひとりごとで発表しますので、あと1週間、いろいろと想像しながら待っていてください。